2008年9月27-28日

奈良県 川上村 本沢川 黒石谷 

 

PENTAX K20D smc PENTAX DA16-45mmF4ED AL

 

どうしても豊かな美しい水が見たい。水を求めてあの谷に向かった…

 

 

黒石谷に架かる橋のところで車を降りると、風がピューピューと吹き抜けてかなり寒い。服を着込むがなんとなく戦意低下ぎみ。近畿地方も急に気温が下がったようで、寒~い出発となった。ゲートを越えて林道を歩いていくと黒石谷下部の発達したゴルジュの中に次々と懸かる滝が見えてくる。この下部だけでもじっくりと攻めると面白いと思う。

 

やがて少し大きな怖い丸木橋、渡ろうと進んでみるが、やっぱり退散、S君もトライするも同じく退散、覚悟を決め谷に降りて水に入ると、めちゃくちゃ冷たい。

 

PENTAX Optio W60

 

しばらくで右に曲がったところに大きな淵、左岸の踏み跡を辿って巻いていくと、またまた壁が狭まったところに迫力の滝が落ちている。この滝を越えると大きな釜に落ちる末広がりの斜瀑、そこに流れる極上の水にたちまち異次元なる魅惑の世界に引き込まれていく。

 

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結構釜が深くて簡単には越えられないように見えたが、左岸際をへつってうまく抜けた。この斜瀑を登ると直ぐに8mの滝、上部にちらっと男女滝が見える。

 

PENTAX Optio W60

 

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明神滝まで続くこの連瀑帯は、黒石谷前半のハイライト、素晴らしい景観が続いている。8m滝を右岸から巻いていくと、いよいよ男女滝とその向こうに明神滝が見えてきた。

 

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男女滝の突破は、二つの滝の間を登るか右岸からか、真ん中上部は木が茂っていてよく分からないので右岸の壁を際どくトラバースして越えた。男女滝の上に出てみると、「あれれ~」という感じでそこにある淵が思った以上に深い。右岸から巻けそうと行ってみると、最後の方で壁が途切れていて、頼りないトラロープが一本垂れている。あまりに怖そうなので、しかたなく戻った。淵に突入していくと、私の足が好きらしく小魚の群れが一斉に囲んでくる。そこから一歩進むとパンツ迄浸水、冷たさに悲鳴を上げ脱出。前回来たときは、こんなところで苦労した記憶が全くなく??状態。左、中央、右と浅そうなところを探してトライするが、どこも胸以上まで浸からないと無理そう。

 

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時間ばかりが過ぎていくのでS君と協議し、女滝の落ち口を越えることに決定。しかし、ここも流れが早く滑ると滝の下まで落ちてしまう。ロープを出して慎重に通過、S君も「怖~」と言って越えてきた。ここから見る明神滝と女滝落ち口へと向かうその流れもなかなか素晴らしい。

 

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そして大岩の下を潜り抜けたところを今度は男滝上流へ移動、高度感があり気を抜けないが、目前には飛沫を撒き散らす明神滝が迫ってきた。明神滝は、その堂々とした姿も然ることながら、今日は、その壺に湛えた水の美しさが際立っている。

 

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前回は、明神滝を左岸の岩場から越えたので、今回は右岸越えを選択、どんどん登って途中から壁の落ち込みに向かって斜上、落ち込みの向こうはどんぴしゃで明神滝上流に続いていた。ここから穏やかな流れを進んで扇滝、扇滝からの流れも美しい水が広がっている。

 

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扇滝からは一度山道に出て再度降って霞滝を目指す予定。ところが適当に右岸斜面を登って行くと、どこまで行っても山道が現れない。見逃して山道を通り過ぎたかもと思うが、もう少し登っていくと張り出した壁を越えれそうになってきたので、これを越えてずるずると降って行くと案の定下に山道が見えてきた。あ~、またやってしまった。道が不明瞭になった部分をそのまま横切る形で登ってしまったようだ。えらく時間がかかってしまったので、そのまま道を進んでテン場へ向かう。途中、霞滝の落ち口から落ちていく白布が素晴らしい。そして菅平谷との出合の石垣上が今宵の宿。焚き木を集めてフライングタープを張り、ゆっくりと流れる時間の中食事タイム。いつものようにカレーと焼き肉の超栄養食、最初弱かった焚き火は、焼き肉の為に周りに石を置いたのが良かったのか途中から轟々と燃え、これまでで一番大きな火になった。寒いので焚き火から離れられず、十分に暖まってからシュラフに潜り込んだ。

 

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翌日は、いつものようにゆっくりとスタート、霞滝は帰りに寄ることにして、まずは鬼滝を目指す。穏やかな流れを進んでいくと、次から次へと現れる淵がとにかく美しく、今日も黒石谷にどっぷりと吸い込まれていく。

 

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やがてひときわ美しい大きな釜を持つ10m滝に到着、目の前にあるのは、深い森の深い谷にある究極の渓谷美、けっして巨大ではないが、まさに原風景と呼びたくなるような景観だ。

 

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左岸から巻いてさらに遡ると、明るく開けてきた谷に大滝の出現を予感させる。そして左に大きく曲がり水路状の奥にどど~んと鬼滝が登場、一気に流れ落ちた水が穏やかに寄せてくるその眺めは、またまた素晴らしいの一言。

 

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さあ盟主たる霞滝が待っている。右岸斜面を登って山道を探すとうまく道を発見、ところが、少し戻ったところで大きな山抜けにより完全に寸断されていて、山肌の露出した斜面はとても通れそうにない状態。またまた谷に降りて再度樹林帯の残る切れ目を目指して登り、倒木の堆積するところをトラバースしながら何とか道を見つけて進んでいく。不明瞭な部分も多い道をどんどん行くが、何かおかしい。やがて道は本流からどんどん外れて大きく迂回ぎみになり、時間がかかり過ぎることもあって、ようやくルートを誤っていることに気付く。とにかく戻ろうと引き返すが、何故か来た道に戻ることもできず記憶のないところに出てしまう。もうどうしようもないし、どう考えても本来の道よりかなり高い位置に居るので、急斜面だが、懸垂下降で降りようということになった。ロープをセットしたS君は、あっという間にワンピッチ降りて行き、私も続いて下降していく。懸垂下降を繰り返していくと、下に明瞭な道が見えてきて一安心。ここでついでとばかりにタイブロックの使い方やブルージック、バッチマン等をS君に教えてもらい、しばしの講習会となった。道に降りると、どうやら霞滝をかなり行き過ぎているらしく、今度は上流へ向かって歩いていく。そして、ようやくという感じで霞滝を見下ろすあたりに到着。

 

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昨日に較べるとかなり水量が減ったようにも見える。ガイドブックに「右岸から巻いて山道に出てしまった。」という記述があるので、降りれるのではないかと思っていたが、下にあるのは深いゴルジュ、簡単にはいきそうにない。S君も「危ないし無理ですね」という意味合いのことを口にするが、私が「霞の前に立つことは、槍の頂上に立つよりも百倍は大事や」とちょっと大げさに言うと、何とか降りれそうなところを見つけて、「様子見てきます」と懸垂で降りていった。私もとりあえずといった感じで降りていくが、ここから下はさらに壁が立ち、行けても懸垂を繰り返す必要がある。登る為に下降に使ったロープを置いておかねばならないので、無念だがここで断念、ロープを掴み、ゴボウでヒーヒー言って山道まで登り返した。

 

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帰りは、怖い丸木橋を這って通過、何故かまた迷って林道ゲートまで辿り着いた。霞滝には、扇滝の直ぐ上からゴルジュを泳いでいくしかないかもしれない。S君も完全防水のドライインナーを用意したらしい。魅惑の黒石谷、またの挑戦が楽しみだ。