2014年4月29日
高田川 ナル谷



水壁・・・


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昨日からの雨は降り続き、止む気配がない。それでも、我々の足は、滝へと向かってしまう。

ナル谷の入り口には、立派な東屋があり、雨の中での準備を助けてくれるが、雨の勢いは、それなりに強い。「ほんまに行くん?」と出した声に、皆の無言の答えと、ちょっと緊張した表情は、固い決意の表れか。



沢の増水は、それ程でもないように見え、なんとかなりそうな感じ。



先ずは、遊歩道を歩いて、一ノ滝。



一ノ滝の撮影は、後回しにしようと、スクラムを組んで右岸へと徒渉。



一ノ滝を大きく巻き越えて沢へと戻る。まだ見えぬ目的の滝は、どうなってるだろうか。辿り着けるのだろうか。期待と不安が入り交じる。



ナル谷の二ノ滝、普段は、左岸寄りに一筋の滝となって流れているが、水量が増えた時には、ワイドな岩壁を溢れんばかりに広がって流れ、とても美しいらしい。

昨日までは、渇水状態だったが、雨が降り続いているので、ひょっとしたら、そんな状態の二ノ滝を見ることができるかもしれない。雨にも拘わらず、ここを選んだのは、そんな想いからだ。

ところが、前方に見えてきた二ノ滝にびっくり仰天。誰彼ともなく上げた「ウォー」という大歓声が、大きな水音を突き破るように木霊す。見えているのは、滝というより、まさに水の壁。



恐る恐る、滝へ近付いていくと、最後の所が、とても困難。水が多すぎて、どこからも越えることができなさそう。僅かながらの弱点と取り付いた右岸の壁は、つるつるのぬるぬる。ジリジリと体を前へ上へと進めていくが、あと僅かのところが、被るような斜めってるような、なんとも微妙で、イチかバチかのトライは、命取り。

何とかならんかと、水の流れの向こうにある大岩を見ると、登れるかもしれない。えいやっと飛び移って、大岩をよじ登り、リッジになった大岩の上に跨がり進んで、滝前へと達した。

ロープを降ろしても、ここは、簡単ではなく、大騒ぎでの突破になったが、益々強くなる雨の中、豪瀑を目の前に素晴らしい達成感に満たされた。



そんな幸せも、ほんの一瞬。荒れ狂う水を全身で受けて、そこにある現実が迫ってくる。居場所が無いとは、このことか。右岸の角地の僅かな場所から動くことができない。





左岸へと移れば、どんなに素晴らしいだろうかと思うが、増水で溢れた水なのか、滝壺なのか、よく分からない深く勢いのある水の中を泳ぎ渡らねば行くことができない。





傘で雨と飛沫を遮り、レンズを拭いては、シャッターを切る。それでも、ぶつぶつ写真のオンパレードが続く。なんとかこの姿を撮りたいと、一生懸命に頑張っていると、「パンダさ〜ん、どんどん増水してる」の声。我に返り、慌てて撤収開始。



帰りは、少し上方気味にトラバースして、懸垂で降りたが、こっちの方が簡単だった。でも、下からでは、このルートを見い出すことはできなかった。



一ノ滝を巻き降り、大増水した沢を四人で肩を組んでスクラム徒渉。

一ノ滝は、帰りにじっくりと撮影する予定だったが、生還した安堵感からか、とてもそんな気になれず、唯々、その荒れ狂う水を眺めるだけだった。



これが、日本の滝か。豪雨の中、突入した沢には、とてつもない姿となった滝が待っていた。それは、見たこともない、二度と見ることができなかもしれない、滝屋の夢そのもの・・・

あっきーさん、はんぺんさん、ゆかさん、どうもありがとうございました。



撮影機材

OLYMPUS OM-D E-M1
LUMIX G VARIO 14-45mm/F3.5-5.6 ASPH./MEGA O.I.S.
OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4.0-5.6

Panasonic Lumix DMC-FT4