2014年7月26-27日
川迫川 神童子谷 ノウナシ谷



滝屋的遡行・・・


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ようやく夏がやって来たという感じの7月最後の週末。どこへ行こうかと、はんぺんさん、ひこさん、ゆかちゃん、嫁さんと協議。

もちろん、大滝見物を考えたが、10日以降、殆ど雨が降ってなく、苦労して行っても見栄えがしない可能性があり、その案は、先延ばしにして、泊でゆっくりと楽しもうということになった。



いい天気だが、陽が届かない谷間は、まだ暗い。後でどうせ泳ぐことになるが、濡れたくないので、際をそろそろと進んでいく。



光が差し込みだすと、雰囲気一変。この瞬間が、たまらない。



砂利がたまり浅くなったへっついさんを通過。



赤鍋ノ滝の左岸越えは、残置ハーケンが無くなっていて、難度が上がっていると聞いていたが、横に走る溝にしっかりと指をかければ、特に問題なかった。









そして、泳ぎポイントの淵。磨き抜かれた強固な岩盤に一切の堆積物も無い。そこに揺らぐ水の美しさは、まるで不純物ゼロのよう。







この後のゴーロ歩きが、ちょっと長くて辛いところ。しかし、木漏れ日が差し込む美しき谷。そこを歩くことは、とても贅沢なことかもしれない。



前回、ここを日帰りで、ひこさんと突撃したのは、2011年の8月。その時は、釜滝を過ぎるまで暗かったと思うが、今日は、ちょっと時間が遅いようで明るい。



今回の計画は、一日目に釜滝をさっと飛ばして、ノウナシ滝前でベースを構える。ノウナシも飛ばして、千手、馬頭、地蔵をメインにピストンして泊。翌日にノウナシと釜滝をゆっくりと楽しもうと考えていた。

しかし、馬頭の美しき壺に日が差し込むのは、真昼のほんの短い時間。このペースでは、ちょっと無理そうだし、釜滝がいい状態になっているのではと思っていたが、案の定、綺麗な釜滝を見て、足が止まってしまう。



この時点で、今日は、釜滝とノウナシ滝を楽しむことに計画を全面的に変更。明日の予報は、曇りがちらしいが、仕方が無い。

この地では、そんな言い方をしないが、釜滝は、犬取谷とノウナシ谷が合わさる、いわゆる両門の滝。昨秋には、この大きな釜の殆どが砂利で埋まってしまったらしいが、随分と流れてくれたよう。ただ、下流側や釜の縁には、まだ砂利が残っていて、その釜が小さく浅くなっているのが、ちょっと残念。



それでも、この滝の美しさが、言葉では、とても言い表せないのは、変わりない。降り注ぐ光は、水のゆらぎを通り抜け、釜の底で新たな光となって、優しく輝いている。もう十分か、これで帰っても良いか、そんな風に想える程に美しい。

もし、命果てる時が来て、最後に一つだけ滝に来ることができるとしたら、数ある大瀑ではなく、ここを選ぶかもしれない。





釜滝を右岸から越え、ノウナシ谷へ入ると出てくる滝でも当然のように足が止まる。





前回は、右岸の岩棚を小さく巻いたが、左岸から行ってみると、こっちの方がずっと楽。



磨かれた岩の上を滑る水。水際近くまで豊かな植生。緑色を帯びた光が、頭上から降り注ぎ、癒やしの空間が延びていく。









やがて、緑のヴェールの向こうにノウナシ滝が登場。







高い壁が立ち上がるが、豊かな森に守られ、さらさらと水を落とすノウナシは、どこまでも美しい。

計画変更で、光輝く滝姿を心ゆくまで堪能することが出来た。













ノウナシ滝の前は、もっとフラットで広いと思っていたが、その記憶は、間違いで、まとまってテントを張ることは出来ず、分散して三張り設置。

焚き火の夜は、何時もながらに楽しく、用意した新兵器も大活躍したが、写真を撮るのを全く忘れていた。



翌日は、時々日が差すが、やはり曇りがちの天候。先ずは、ノウナシ滝を左岸から巻いて千手滝。

















左岸に入るルンゼを少し登り、ルートを探す。さらに小さく巻くルートも考えられるが、前回に見出したルートから、ひこさんにロープを引っ張ってもらう。





登り出たリッジから馬頭滝を見下ろすと、差し込んだ光がまだ回っていない。



計画通り、12時に帰ってくることにして、先に地蔵滝を目指す。ここからは、ロープなしでもOKだが、念のため、そのままロープを延ばす。



馬頭滝左岸に高く聳える壁の上を行く。



落口へと降り立つと、そんなに大きな滝ではないが、足がすくむ。



馬頭滝から地蔵滝までは、直ぐと思っていたが、少し離れていた。人の記憶とは曖昧なものだ。いや、私の記憶だけか。





曇っているが、雲が流れると、滝壺は、光の饗宴。う〜ん、素晴らしい。





馬頭滝落口まで戻た頃には、天気がさらに悪くなってくる。





馬頭滝左岸リッジを千手滝落口まで降り、くるりと回って馬頭滝の滝壺。





ちょうどお昼頃だが、雲は、どんどん厚くなり、もう光りが届くことは無いのか。それでも、十分過ぎる美しさにシャッターを切る。





静かなときが過ぎていくが、やはりちょっと寂しい。



と思っていたら、次の瞬間、シュワーと光が走り、歓声と共に辺りが一変。



これを最後に輝かしい光りが届くことは無かったが、馬頭滝の夢見るような壺をまた見ることができた。それは、ほんの少しの間だったが、想いが伝わった美し過ぎる瞬間だった。



この後、頬にぽつりと当たった一滴が、どんどん強くなり、本降りの中をノウナシ滝前の泊地へと戻った。





休憩していると雨があがり、やれやれと撤収。



釜滝に「また来るで〜」と別れの挨拶。



泳ぎの淵の手がかり足がかりのないところをへつって越えられるかと遊んでみると、うまくいった。







今度は、赤鍋を泳ぐと、嫁さんも追従。それぞれ好きなように通過するが、その対比が、面白い。



全ての滝が、輝く瞬間に会いたい。それは、独特で異質かもしれない滝屋ならではの遡行に繋がる。2014年、神童子の夏。そんな想いは、少しは叶えられただろうか・・・

はんぺんさん、ひこさん、ゆかさん、どうもありがとうございました。



撮影機材

OLYMPUS OM-D E-M1
M.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4.0-5.6
LUMIX G VARIO 14-45mm/F3.5-5.6 ASPH./MEGA O.I.S.
LUMIX G X VARIO PZ 45-175mm/F4.0-5.6 ASPH/POWER O.I.S.

Panasonic Lumix DMC-FT3
Panasonic Lumix DMC-FT4