2009年5月9-10日

奈良県 天川村 弥山川

 

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梯子…

 


明け方まで雨が降っていたのか、トレッキングシューズではやたらに滑って歩きにくい。やっぱり沢靴にすればよかったか。久しぶりの弥山川、錆びついた梯子も付け替えられて整備が進んでいるらしい。双門大滝からは上流は、未知の領域、果たしてどんな姿を見せてくれるだろうか。そんなことを考えながら伏流の白川八丁を行く。

 

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そして流れが出てきて、渡渉を交えながら進み、ガマ滝に到着。水が幅をもって落ちているのにびっくり。そして新緑が柔らかな光りを受け美しい。右岸の巻きルートから越え、新しい梯子を過ぎると、現れるのは傾いた危うい桟橋。やがて、前方左には東剣城、右には仙人ぐらから続く西剣城、真ん中には、これから登る中剣城が見えてくる。

 

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左岸のへつり場を越えて一の滝、二の滝に到着。両滝それぞれに美しい放物線を描いている。斜光と水煙でうまく写せないが、なんとか撮影。吊り橋から見ると、ここでも新緑がことのほか輝いている。

 

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ここからが、梯子登りの始まり、以前は、梯子がもっと立っているような印象だったが、それほどでもないように感じる。

 

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大岩を潜る手前を流れに降りると三の滝、ここは、一の滝から続く険悪極まりない弥山川ゴルジュの真っ只中、本来ならとても来れないこの場所に立てることに感謝。

 

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登り返して、何本も続く梯子をこなしていくと、樹林帯が切れ岩盤剥き出しの高度感満点の鎖場、ふり返ると遥か下に弥山川が見える。

 

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さらに梯子を越え、今度は降って双門大滝を望むテラスに着いた。ここでも、ピーカンの為、撮影に難儀するが、岩溝を伝う迫力の流身が太陽に照らされ浮かび上がり、「こんなに近くに見えたっけ」と思えてくる。

 

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ゆっくりしすぎたので先を急ごう。ここからも急傾斜のやせ尾根に梯子が続く。大自然の生命力か、木の根っこが取り巻く怪しいルートを右へ左へと息つく暇なく登っていく。登ったかと思えば、今度は急降下、簡単には二足歩行をゆるしてくれない。そして、さらにさらに登ってザンギ平の肩へ、これでようやく頂点を乗越すが、またまた梯子、鎖の激降り。

 

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三鈷滝

 

眼下には、三鈷滝が見え、まだまだ遠いが大きな滝音が聞こえてくる。三鈷滝に近付くと、木々の間から迫力の姿が見え、その豊かな水量が素晴らしい。何とか下まで降りれそうにも見えるが、ガレた急斜面が危うそうなので、ここは断念。

 

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三鈷滝を越えると、ようやく弥山川の川床に降り着いた。美しい流れを見て、そのまま沢沿いを遡りたい気分になるが、沢装備もないので巻きルートを辿って行く。すると、また下に立派な滝が見える。今度は、少しがんばれば降りれそうなので、下まで降りてみた。

 

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広がる水幕が美しく、こんなに上流でも、豊かで溢れんばかりの水が流れている。そして、河原小屋を経て狼平へ渡渉や巻きを繰り返し歩いていく。

 

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やがて、二股にさしかかり、右は傾斜を増して少し荒い雰囲気、左は、そのまま穏やかに続いている。どう見ても右が枝沢に見えたので、左へ行くが、さっきまであったテープも無くなり、間違ったかと思いながら進んでいくと滝で詰まってしまった。

 

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地図を見て確認すると、どう見ても右が正解、あ~、またやってしまった。おかげで滝に巡り合えたので、まあええかと元に戻って右の沢へ入っていった。ここからは、プチゴルジュ風味な沢登の趣、有名な鎖の空中梯子や鉄杭の空中回廊が出てくるが、なんてことなく通過。

 

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聖門滝

 

しょぼい聖門滝の横を巻きのぼっていくと、少しで吊り橋が見え狼平に到着。綺麗な避難小屋のある狼平は、まるで公園のよう。

 

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小屋で寝ることも考えたが、せっかくなのでテントを張って一人の基地を設置した。ここまで、誰に会うこともない静かな一人旅だったが、狼平でも貸し切り状態で夜が明けた。

 

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今日は、弥山への木の階段の登りから、稜線に出て立ち枯れた木が目立つ中を歩いて弥山の山頂へ、そして鹿除けの網を抜けて八経ヶ岳、奥駈道に75あるとされる靡(行場、霊地)の51靡らしく札が重ねられている。弥山神社は、54靡らしいが、あまりそのような雰囲気はなかった。天気は良いが、遠くの山は霞んでいるので、写真に撮るほどでもない。

 

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下山は、弥山辻からレンゲ道を行く。シラビソの中の穏やかな降りで、快適な道が続く。眺望のよい日裏山で休憩、高崎横手の分岐を過ぎ、頂仙岳を巻いてナメリ坂に入ると、やや傾斜を増して降って行く。

 

このまま行くと川合へ降ってしまうので、カナビキ尾根への取り付きを探しながら歩いていると、それらしいポイントに到着。テープに導かれて急斜面を降下していくが、落ち葉の積もった斜面に踏み跡は見つからず、テープも全く現れない。気がつくとカナビキ尾根ではなくカナビキ谷を降っている感じだ。

 

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木漏れ日が差す谷は誠に美しく、次々に現れる小滝をこなして降って行く。際どいところでは、ザックにぶら下げてきたテープスリングが役に立つ。少し時間がかかったが、植林帯を抜けて、ドンピシャリで金引橋に降り立った。

 

弥山、八経ヶ岳へのバリエーションとされる弥山川コース、厳しくも美しいそのルートは、登山道としては、ある意味究極だ。アルプス辺りを日常的に登っている人でも、一般道しか知らなければ、びっくりすること間違いない。肌で感じる水、香り、大地からの反発、全てを受け止め、乗り越え進んでいく。そこに流れる清麗な水と素晴らしい渓谷美、そして悠久の時を刻んできた大自然に抱かれ、別世界へと導かれるだろう。