2015年6月7日
中奥川 戸倉谷


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時を重ねて・・・



今回のお題目は、2011年夏に途中撤退した谷。あれからもう4年近くも経ってしまったのか。


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それなりに雨が降ったと思っていたが、水が少ないかも。


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天気は悪くないが、この狭い谷底に陽は届かない。気温も低く寒い。


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泳ぐかへつるか。ひこさんが泳ぎを回避しようと足場を偵察していたが、結局のところ諦めて、もとなかさん共々飛び込んで突破。私は、右岸の壁を少し登り、岩が張り出す狭い下を大きな体を縮めて越えた。


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そして、最初の顕著な滝。やはり水量が少ない。それでも高い壁に挟まれた中を滑り落ちる独特の姿は、美しいだけでなく、ある種の恐ろしさを感じる。


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右岸から巻きを開始。


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前回は、壁に当たってから右に行ったところにある切れ落ちたトラバースポイントを見て、「こんなとこ行くなんてありえへん」と思ったが、「とりあえず見てくる」と言って右へと辿って行く。

記憶では、悪いポイント迄は、しっかりとした踏み跡があったはずだが、なんか細くてちょっと際どい。バランスをとりながら先へと進んで行き、そのポイントが、やけに遠いなと思っていたら次の滝が見えてきて、思わず「あれ〜」っと大声を上げる。特に意識すること無く越えてしまった。


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そこは、「手がかり足がかりの全く無い垂直の磨かれた壁になっていて、どうやって行くのか全く分からない。」そんな極めて悪い印象を持っていたが、必ずしもそうではなかったのかもしれない。


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下の滝から続く地形が素晴らしい。右岸は遙かに高く、左岸のリッジも圧倒的。


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いつの間にか、もとなかさんとひこさんがじゃんけんをしていて、勝ったのか負けたのか分からないが、もとなかさんがトップで左岸リッジを行く。

落口近くのトラバースをそのまま行きたいと上から声がかかるが、全く姿が見えなくなってのビレイは不安。トラバース前で切ってもらって、狭いところに三人が集結。ここは、前回撤退した所。

ここからのトラバースも「ツルツルの斜めった黒い岩盤上を水平に奥へと移動しなけらばならない。」そんな強烈な記憶を4年近く持ち続けていたが、あらてめて見てみるとそうではなく、岩盤は白く凹凸があり、水平移動ではなく右上へと斜上する感じで、さして難しくは見えなかった。

そのままもとなかさんが突破し、ひこさんが行った後、支点を回収して続くと、実際にも問題なく通過。


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この先も屈曲していく狭き廊下が続き、まだ見ぬものへの期待感が高まる。


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チョックストーンの滝も水量が少ない。右からヨイショっと突破。


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左へ曲がると、狭いところを滑り落ちる見事な滝が連続。


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限られたスペースに三脚を立て、強烈極まりない明暗差と対峙。


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定石通り下段を登ってから右岸を巻き上がる。


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僅かに穏やかな流れがあるが、その奥には、もう次の滝。


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滝前は広く、左岸支流からも滝が落ちてくる素敵な所。何より降り注ぐ陽射しが暖かく、ゆっくりと寛ぐ。


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この滝の巻きは、左岸支流から大巻、滝の水流潜りから右岸巻きがポピュラーみたいだが、我々は、何れでもなく、右岸少し下流から巻く。

ここでも、既にこの谷を遡行済みのもとなかさんが先導してくれるが、特に難しい所は無く、最後は落口を見下ろしながら壁沿いに進んでいけば、自然に次のV字滝前へと導かれる。


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ここへ来たかった。やっと来た。滝を前に久しぶりに雄叫びを上げる。思ったより小さい感じがするし水量も少ないが、水が描く美しきラインに満足。


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「おお〜、でかい」という声にふと見ると、大きな魚影が走る。滝の対面のそこは、出口のない水たまりになっていて、不運なこの魚の命運は尽きたよう。

しかしながら、事はそう簡単では無く、野生の魂を見たような気がする。それでも徐々に力が衰えていき、遂にひこさんの手の中に。


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数々の苦難を乗り越えてここまで生きてきたのか、ちょっといかつい顔をしている。


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リクエストに応えて、ひこさん渾身のポーズ。


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さてさて、中段、上段前にも行こう。


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中段の繊細な流れ。


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上段は、分岐する流れが見事。右の流れは、美しき釜に吸い込まれていく。


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ここの突破は、もとなかさんによれば、上段下の斜上するバンドから行ったらしいが、ロープを出したくなるところ。その記憶を元に中段下から回り込めばもっと楽なのではと、偵察に行ってくれる。特に問題ないらしく、そっちから巻いていくと、明瞭な踏み跡が滝上へと続いていた。

谷がまた暗〜くなり、突き当たり右からひっそりと滝が落ちる。


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鋭く刻まれた黒い岩盤の上を水が迸り輝く。


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暗く狭い谷底から見あげる滝水の白が、本当に美しい。岩に弾け表情を変える水の中を、上部に降り注いだ光が駆け下りてくる。戸倉の白眉は、V字滝だろうと勝手に思い込んでいたが、それは間違いだったのかもしれない。


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さあ底から脱出しよう。突き当たりのルンゼから吊り橋へと登り出る。


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モノレールを拾って下山。


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2013年9月、この日のためにジョウカケ谷の帰りに確認したモノレール小屋。そこへと降りてきて、ようやく繋がった感じ。


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毎年のように計画した戸倉谷再訪は、何故か流れてばかりだったが、無事に遡行を終えることができ感慨深い。

前回は、入る谷を間違えたのもさることながら、頭も体も動かずに撤退。そんなほろ苦い記憶が残るこの谷の印象は、時の流れが変えてくれたのかもしれない・・・

ひこさん、もとなかさん、どうもありがとうございました。



撮影機材

OLYMPUS OM-D E-M5 Mark II
M.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4.0-5.6
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO

RICOH WG-5 GPS


撮影機材データ

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