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見えますか・・・


ネット時代の写真や文字、Webでの表現は本当に難しく、また曖昧な部分が多いのではないか。ネガフィルムからのプリントは別にして、リバーサルフィルムで完成した写真は、調整されたライトボックスで見る限りは、同じように見る事が出来たと思う。一方でデジタルでは、それこそ千差万別の環境で見ることが多く、一つの写真でも同じように見ることは難しいのかもしれない。


540srgb dsc_0018

sRGB


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Adobe RGB


パソコンで写真を見る為には、モニタのキャリブレーションはもちろん大事だが、見る時に使うソフトも大事だ。上の二枚の写真、どちらも全く同じ写真だが、一枚目にはsRGB、二枚目には、Adobe RGBのICCプロファイルを埋め込んでいる。


ICCプロファイルに対応したブラウザであれば、どちらも同じように見えるが、対応していないブラウザでは、違う色合いに見えると思う。違うように見える場合には不思議かもしれないが、どちらも全く同じ写真である。


International Color ConsortiumのIs Your System ICC Version 4 Ready?も開いて見てほしい。写真が、分割されて色がばらばらに見えたならば、対応できていない。対応している場合は、下の画像のように見える。


sRGB icc version 4


カメラ雑誌のテスト記事なんかを見ていると、このカメラのホワイトバランスは正確だとかなんとかよく書いてあるが、全くばかげた話だ。ホワイトバランスに正確なんてものはなく、私は撮影者の意図により決まると考えている。

フィルムの時は、色温度計、ゼラチンフィルタ等を使って相当苦労した領域だが、デジタルでは自由に操ることができ、これはデジタルならではの素晴らしい特質だ。撮影時にどう設定するかもよく話題になり、結構気にする場合が多いと思われるが、結果を見る環境については何故か気にしないようだ。


上のsRGB、Adobe RGBの二枚は、色温度5500kで現像、下の二枚は、それぞれ4000k、7000kで現像した写真だが、緑が劇的に変わるのはもちろん、滝の流れの色合いもかなり変わる。4000kは、緑の彩度が高く、7000kは低いようにも見えるが、色温度以外は、全く同じである。


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sRGB 4000k


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sRGB 7000k


モニタの色温度設定の影響は、これと全く逆だ。モニタの色温度が高いと4000kの写真のように、低いと7000kの写真のように見える。


同じように色合いのバランスのみ変えて現像した写真が下の二枚。極端な例だが、モニタの色バランスしだいではこのように見える。


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sRGB 5500k 赤寄り


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sRGB 5500k 緑寄り


また、殆どのパソコンは、店頭での見栄えを重視したS字のガンマ曲線と高い色温度でセッティングされていて、極端な例で示すと下の写真のように見えてしまう。さらに輝度も最大で使ってしまうことから、印刷した写真がモニタで見えている写真よりくすんで印刷されるといったことになりがちだ。


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Windows XPとInternet Explorer、今でも最大勢力だが、ネットを見る環境には適していないと私には思える。ためしにIs Your System ICC Version 4 Ready?をAppleのSafari(Windows用もある)で見ていただければ、その違いも少しは分かっていただけるかもしれない。


WindowsとMac OS Xの違いは、操作性うんぬんがよく話題になったりしているが、そんなことはどうでもよいし、すでに優劣があるとは思えない。しかし、美しく正確な表現をするという点においては、あきらかに差があると思える。

写真の正確な再現はもちろん、例えば単にネットを見ることにおいてもその見え方や文字の読みやすさに拘るのがMac OSだ。下の例は「落書き」のスクリーンキャプチャだが、落書きの表題から本文までこれだけ違う。これは、私がMac OS 向きに作っているからでもなんでもない。



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Windows XP、Internet Explorer



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Mac OS X、Safari



Macでは、モニタのキャリブレーションをしてほしい。(システム環境設定のディスプレイでの目視調整でも追い込めば十分に使える。)、Windowsではモニタのキャリブレーションをして、さらに対応したソフトを使ってほしい。そうすれば、よりよく写真を見る事ができる。


私は、印刷を前提にモニタの色温度5000kでやってきた。しかし、一般的には、9000kと極端に青白いモニタで見ているケースも多く、低めの設定でもせいぜい6500kのようだ。そして何故か6500kがデジタルの標準なんてことになっていたりする。


そんなわけで、ある時から落書きにアップする写真は、6500kで現像している。少し前の5000kで現像した写真を6500kで見ると、どうしても緑がきつく感じられるため、やり直そうと思いながらも時間がなくそのままになっている。


高い色温度のモニタを見慣れていると5000kに設定されたモニタを見ると極端に黄ばんでいると感じると思う。しかし、モニタに白を表示させて、その白と太陽の白を較べると、モニタの白は、青白くないだろうか。室内光の影響もかなりあり、照明の色温度が低いとモニタの色温度が高く、照明の色温度が高いとモニタの色温度は低く感じてしまう。


リバーサルフィルムを見る時に透過させるビュアの光は5000k、太陽の光を前提にしている。太陽の白がそんなに青白くないのと同様に紙の白も青白くない。印刷した写真とモニタで見る写真の色を合わす為にもモニタを5000kに設定するのは、こんなことが関係している。


カメラやレンズに拘っても何故かそれを見る環境には拘らない場合が多いように感じる。デジタル写真では、その結果の半分はソフト等によると言ってもなかなか理解されないようだ。カメラや写真が好きなら、このようなことにも関心をもってもらえば、さらに面白い世界が待っている。