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PENTAX Digital Camera Utility 4


デジタル・・・


RAW現像、この言葉には、いまだに違和感があるが、これこそデジタルであり、これなくしてはデジタルは写真にならない。そんなことで、私の現在使っているRAW現像ソフトを紹介してみようと思うが、その時々で印象が変わるのが事実であり、また今回も独断と偏見に満ちあふれたレポートなので、あまり鵜呑みにしないでいただければと思う。


Lightroom 3


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現像処理はもちろん、写真管理からプリント、Webまで大御所Adobeらしい隙のないソフト。写真を読み込んでライブラリを作ることから、写真の管理や検索も思いのままにできる。


基本的な現像設定はもちろん、補正ブラシや段階フィルタを使った柔軟かつダイナミックな現像が可能。バージョン3になって、2までの弱点だったプレビュー品質やシャープ、ノイズ処理も向上したように感じる。しかし、Photoshopがあるが故に搭載できない(しない)機能があるところがこのソフトの弱点かも。



SILKYPIX Developer Studio Pro


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写真管理という概念はなく、現像処理のみのソフト。そういう意味ではLightroomやApertureに較べて価格的に高いと感じてしまう。操作性もちょっと笑ってしまうほど古典的でスムースさに欠ける。写真を読み込むのではなく、そのつど見に行くのでいちいち大げさで大変だ。スクロールや調整時にもカクカクとした動きでストレスを感じる。


しかし、現像品質には定評のあるところで、その名の如くきめ細かい非常に滑らかな仕上がりになる。テイストと呼ばれるプリセットを使った現像が面白く、全体的なテイストと各項目ごとにもテイストがあり、RAW現像になれてなくてもこれだけで好みの絵を作れるともいえる。デジタルシフトといった他にはない機能も搭載し、収差補正も簡単で素晴らしい。一方でハイライトコントローラのようにやや難解な機能もあり、能書きが凄いわりに結果はたいしたことがない。また、ブラシ機能等がなく部分的な追い込みや暗部の補正にも融通が利かない。シャドウとハイライトが一緒になった自動覆い焼きなんて意味不明だ。


このように滝等の明暗差の大きい写真には向かない部分もあるが、優秀なシャープネス、ノイズ軽減、モザイク処理等から生まれるきめ細かい絵はなによりの特徴だ。ピュアディテールをかけた高品質なプレビューを大画面で見ていると、本当にその場にいるように思える程の立体的な表現が素晴らしい。


Aperture 3


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写真管理から現像まで、Lightroomと同様の機能性を持った総合的なソフト。シンプルなインターフェイスと操作性は、まさにアップルマジック、他のソフトを全く寄せ付けない。


そこに加わったブラシコントロールは、Lightroomにもない幅の広いもので、とことん追い込みたい場合にも答えてくれる。ただ、ノイズ処理においては簡単な機能しかなくノイズ感を重視する場合には向いてないとも言える。


トップの写真は、明暗差が強い作例だが、PENTAX Digital Camera Utility 4でカスタムイメージ「風景」にて現像。つまりカメラのカスタムイメージを「風景」にしてJPEG撮影した写真とほぼ同じだ。


これを各ソフトにて現像(シャープネスなし、ノイズ軽減処理なし、リサイズ、JPEG書き出し、Photoshopにて軽くスマートシャープ)すると下のようになるが、パラメーターの追い込みはだいたいのところで、同じようなイメージになるように現像しているが、そのことは差し引いて見て欲しい。


また、前回の「Webとデジタル」、今回の作例ともシャドウは潰れているが、ハイライトの飛びは一切ないのでその点も合わせて見ていただければと思う。(モニタのハイライト確認)


LightroomとApertureは、暗部の再現も似たような感じだが、よく見るとLightroomは、中段の滝の左あたりが少し絵を描いたようになっている。SILKYPIXは、細かいことが苦手なので暗部の再現はこの程度が限界だ。


このようにWeb用等にリサイズすると等倍とは違った結果になり、Apertureは、葉っぱのディテール等がベチョっと平坦になってしまっている。リサイズでの精鋭感は、SILKYPIXが最も高いように見える。


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Aperture 3


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Lightroom 3


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SILKYPIX Developer Studio Pro


しかし、Apertureでリサイズなしで書き出したものをPhotoshopにてバイキュービック法にてリサイズすると、そういった感じはなくなるし、ニアレストネイバー法にてリサイズするとスマートシャープなしでも最も精鋭感の高い絵になる。


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Aperture 3 Photoshopでリサイズ(バイキュービック、スマートシャープ)


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Aperture 3 Photoshopでリサイズ(ニアレストネイバー、シャープなし)


リサイズでの精鋭感の高いSILKYPIXだが、よく見ると線のギザギザが目立つ場合があり、注意が必要だ。やはりリサイズは、Photoshopでするのが無難かもしれない。


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SILKYPIX Developer Studio Pro


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Aperture 3 Photoshopでリサイズ


次に等倍で現像したものを切り取ってみると下のようになるが、リサイズした時とは全く違い、Apertureが最も立体的でSILKYPIXが最も平面的だ。


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Aperture 3


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Lightroom 3


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SILKYPIX Developer Studio Pro


試しにSILKYPIXでシャープとノイズ処理をともに「ナチュラル」というテイストで現像するとAperture、Lightroomと同じような感じになる。

Aperture、Lightroomは、シャープ処理なしなのでなんとも言えないが、テイストという現像処理を使うSILKYPIXでは、「ナチュラル」が基準かもしれない。ただ、このようにパラメーターを変化させると違う結果になるので、結果の判断はなかなか難しい。


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SILKYPIX Developer Studio Pro 「ナチュラル」テイスト適用


JPEGでしか撮らない場合RAW現像なんて関係ないと思うかもしれないが、カメラ内部でメーカーの設定により現像されていて、その現像結果を見ていることになる。カスタムイメージやシャープ、ノイズリダクションの設定を選べば、それは現像ソフトでパラメーターを動かしたのと同じことだ。

カメラが生成したJPEGと同等のトップの写真と各ソフトで現像した写真は、違うようで同じデータに基づいている。


RAWで撮れるカメラを使っているならば、ぜひともRAW現像の世界を覗いて欲しい。あっと驚いて喜ぶかもしれないし、深い深い沼から抜け出せなくなるかもしれない・・・