2010年8月11-14日
北アルプス




平が大好き・・・

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うちの嫁さんは、たいらが好きで、なになに平という名前にやけに反応する。なかでも日本最後の秘境といわれる(かなり大げさだ)雲ノ平は、憧れの地で、何時の日か行きたいとチャンスを狙っていた。

そんな折、毎年恒例になりつつあるA氏とS君とのアルプス山行が、黒部源流をまわろうということになり、今年は嫁さんも一緒にと思ったが、何やら過酷な計画で無理そう。我が家は、基本ヌルヌルハイクなので、まあ適当に別行動で歩こうということになった。

ところが、台風が日本海方面に進みそうになり、突っ込むか止めるか、それとも行き場所を変えるか、最後の最後まで悩んだ。12日に台風が最接近すると、台風と並んで歩いてるみたいで、どうしようもない。でもせっかくの計画なので、12日は、一日どこかの小屋で停滞し、三泊の予定を四泊にすれば、台風が過ぎ去った後を十分に楽しめるのではないか。

そんな訳で、大阪発の「寝台急行きたぐに」に飛び乗り富山まで夢の中へ。A氏とS君は、一足先に夜行バスで出発。ところがところが、やけに静かと思っていたら電車がずっと止まっている様子。前を走っていた貨物列車が故障したとかで、結局3時間も止まったまま、遅れに遅れて富山に到着。


8月11日

急いでタクシーに乗ってさらに二時間程でようやく折立に到着。ちょうどA氏とS君が準備中で、これから出発するところだった。有峰林道小見線が通行止めのため岐阜県神岡経由で迂回するバスに追いついた格好だ。そんなこんなで我が家も少し遅れて9時20分ようやく登山口をスタート。


樹林帯をゆっくりと登っていくとやがて展望が開け穏やかなルートに変わっていく。





富山湾や有峰湖が見え、下界は晴れているようだが、上は何やら怪しい感じでまたまたガスの中に入って行く。それでも穏やかな天候で気分も上々。



太郎平小屋に着いてしばし休憩。もう少し足を延ばして薬師沢小屋まで降ろうか、ラーメンを食おうかとかいろいろ考える。明日はどうせ停滞だし、薬師沢小屋で二泊もなんなので薬師峠のテン場に向かう。(ラーメン食いたかった)

テン場に着くとA氏とS君がもうめしの準備中、薬師岳に登ると言っていたが、ガスガスなので止めたらしい。それでもアルコールに満たされたのか二人はやけに楽しそう。






テントを張ってくつろいでいるとガスが晴れてきて青空が出現、本当に台風が来るのかといった天気になってきた。

良い天気にテン場は活気づき、明るく楽しい雰囲気に包まれ、ゆったりとした時が過ぎていく。





めしを食ったら後は寝るだけ、明日のことを心配しながらも直ぐに爆睡モード。




8月12日

夜中に風の音で目を覚ます。やはり台風接近中か。明け方には雨も降り出し本格的になってきた。予定通り薬師沢小屋まで行って停滞する予定だが、増水すると難儀なので、めずらしく急いで撤収作業に入る。そんな中でも、パンをフライパンで焼いてスープと一緒に食べるとほっこりして嬉しい。

ザックに物を詰め、雨具を着込み完全防備で外に出る。テントのインナーが濡れないようにフライの下から先に抜き取り、最後に濡れたフライをビニール袋に押し込んで終了。二人にいったん別れを告げ、出発した。



太郎平小屋への木道を歩いて行くと早くも強風が吹き抜け体がよろめく。薬師沢中俣まで降ると増水はまだ大丈夫そうで、いくつかの徒渉ポイントの小橋も問題なく通過。





登山道に水が溢れ木道の上まで水がきているところもあったが、無事薬師沢小屋に到着した。





受付を済ませて小屋前で撮影しているとA氏とS君が追いついてきた。二人は、このまま雲ノ平、できれば三俣蓮華まで行くという。無事を祈って出発を見送った。

朝から小屋にいては何もすることがない。ぼんやり窓から外を眺めていると雨と風が強くなってきて、こんな谷底にいても風に煽られた雨は横向きに降っている。

二人は今頃どうしているのだろうか。屈強なS君はともかく、A氏の歪んだ顔が目に浮かんでくる。沢の水もどんどん増水し、昼頃には濁流になっていた。





ふる〜い山雑誌が置いてあったのでパラパラと見ていると、若い女性の写真にびっくり、Tシャツにホットパンツ、太ももまでむき出しで大きな荷物を背負い颯爽と歩いている。

夕方には、ストーブが焚かれ、食堂は暖かな雰囲気に包まれる。悪天候時にやってくる登山者もほとんどなく、夕食時にテーブルに着いていたのは、ほんの3〜4組だけで自炊組があと少し。もちろん寝床もがらがらで、ゆっくりと寝ることができた。




8月13日

朝になっても少し小雨が残っていたが、やがてそれも止んですっかり穏やかに、あんなに増水していた水も引いている。



お世話になった小屋を後にし、雲ノ平への急坂を登っていく。豊かな森と湿った感じがなにか大峰を思わせる。





そして大きな平に乗っかり、ゆっくりとした足取りで歩いて行く。すれ違う人も殆ど無く、雲ノ平は貸し切り状態。普通なら不満に思うような天気も昨日のことを考えるとよい天気に思えてくるから人間とは不思議だ。



高山特有の岩ばかりの殺伐とした風景ではなく、大きく穏やかに広がる地形と豊かな緑を見ていると、本当に来て良かったと思えてくる。




雲が切れて黒部五郎が。


今回のメインカメラは、LX3。モデルチェンジ直前で安くなっているのを急遽購入して持ってきた。コンデジながらRawで撮れるので楽しみだ。


LX3、FT1の二台態勢、嫁さんもカメラマン




こんな格好で撮影、う〜ん苦しい。


写したのがこれ、ちょっといまいちか。


雲ノ平山荘が見えてきた。中に入るとピカピカ。


こっちのショットは決まったかも。


嫁さん撮影、なんか構図が私と似てる?


新しくなった雲ノ平山荘を越えテント場を見下ろすあたりまで来ると、これから登る祖父岳が、雲の中から少し見えてきた。



スイス庭園に入ると雲が流れて水晶岳が見え隠れしかっこいい。木道の分岐を降って水晶岳に近付くと山頂に立っている人がはっきりと見える。


水晶岳


下の方に雷鳥がいてます。


嫁さんがFT1でパシャリ、LX3はここまで寄れなかった。


そして木道が南へ巻くように進路を変えていくが、この辺りは本当に素晴らしい眺め。









雲ノ平を一望できる日本庭園との分岐からは、祖父岳へ登っていく。


歩いてきた雲ノ平を見下ろしてお別れ。



短いながらも急なルートを登りきるとケルンがたくさんある山頂に着いた。いやいや祖父岳、よいところだ。天気が少し良くなってガスが晴れ、360度に広がる大展望が素晴らしい。




ワリモ岳と鷲羽岳


槍様も登場。
これからワリモ、鷲羽を越えて下に小さく見える三俣蓮華山荘まで行く。



岩苔乗越で岩苔小谷の源流へ降りて水を汲むと、台風の影響か少し浮遊物が見られたが、まあ気にしないで飲んだ。

ワリモ北分岐から南に折れるとワリモ岳、鷲羽岳と続く展望の開けた稜線歩き。風が冷たく寒いが、頑張って進んでいく。


ワリモ岳へ。


鷲羽への稜線


黒部五郎岳


祖父岳、ワリモ岳を越え辿ってきた稜線と奥に薬師岳。


鷲羽まであと少し。


そして鷲羽の山頂に到着、もちろんここも素晴らしい眺め。昨日の停滞を思い出すとよくぞ来れたという感じで、感慨深いものが込み上げてくる。


この山名板はおもしろい。


槍、穂高そして鷲羽池。


さあ、三俣蓮華へ降ろう。小屋もテント場もくっきりと見えている。



小屋に着くと結構な賑わいで、テン場もよいところが残っていない。それでも奥の方に絶好のスペースを見つけてテントを張った。


鷲羽を見上げる素晴らしいロケーション

槍様も見えている。


めしを食いながら明日はどうしようか、頑張って黒部五郎へ行こうか、笠へ行こうかなどと嫁さんと話していると、時折結構強い雨が降ってくる。少し不安になるが、でもまあ大丈夫、明日も良い旅になるだろうと眠りについた。


8月14日

しかししかし、またまた夜中に強い雨と風で目が覚める。フライの下から雨が吹き込んでくる程強い。朝になっても雨は続き、一瞬止んだが、その後はますます強くなってきた。この状況は、全くの想定外で??

もう新穂高温泉へ下山するしか選択肢はなさそう。雨とガスでよく見えない中、しかたなく出発。







双六小屋までは結構大変だった。もちろん巻道をを行くが、これでもかと降り続く雨が道に溢れ、何本も滝や川ができて道を寸断する。それでも嫁さんは、水を全く怖がることなくすいすいと越えていく。




巨大な水の流れが何本も現れる。




双六小屋から先は、道に水が溢れることもなく雨も弱くなって少し快適に。ところが、直ぐにまた雨が強くなってきて土砂降り状態。こんな中でも多くの登山者が登ってきて全く不思議だったが、天気予報はこんなには悪くなかったらしい。






雨が作る巨大な一夜滝?



林道へ降り立つ頃、ようやく雨が弱くなり、わさび平小屋でトマトをかじって休憩、新穂高温泉までとぼとぼと歩いて過酷な下山は終わった。

憧れの雲ノ平、できれば雨の中ではなく、穏やかな天候の下で歩きたいという嫁さんの願いはなんとかかなった。すっきりしない天候ながら、その分静かな山旅を満喫できたかもしれない。

穏やかに続く台地と背後に聳える山は、本当に素敵な眺め。やはり山は、少し下から見るのが美しいと思う。でも、かっこいい水晶や黒部五郎を見ているといつの日か登ってみたいものだ・・・



撮影機材


Panasonic Lumix DMC-LX3
Panasonic Lumix DMC-FT1