2008年9月14-15日

北アルプス

 

 

いつも山塊の底でうごめいているが、たまには明るいピークに行ってみよう。どうせ行くならとびきりのピーク、思い切り尖ったあのお屋根の上を目指した…

 

 

滝巡りから帰って慌ただしく準備しているとS君の迎えの車が到着、それから仕事を終えたA氏を拾って一路新穂高温泉に向け出発。今回は、S君の他にA氏と三人での登山、というかS君とA氏の計画に私が乗った格好だ。後ろの席でくつろいでいた私は、前の二人の会話に時々参加するが、そのうち落ちて、しばし爆睡モード。なんやかんやで新穂高温泉に到着、二人は殆ど寝てない模様、若いS君はともかく、私よりは若いが既にオッチャンの年齢に突入したA氏は大丈夫だろうか。

 

計画では、一日目、双六小屋まで登りテントを設営、ここから荷物を置いて双六岳を往復してテン泊(11時間?)、二日目、西鎌尾根から槍ヶ岳、そこから一気に降って新穂高温泉(13時間?)という結構無謀な計画、しかし、西鎌尾根から槍を目指すルートはS君のお墨付き、絶対にお勧めらしい。日程の自由にならない会社員三人で行ける計画としては、これしかないという感じでいざ出撃(1100m)。

 

まだ暗い中をテクテクと林道を歩いて行く、明るくなってきたころ笠新道分岐に到着、笠新道を見送りそのまま進んで小池新道を登って行くと石を積んだ階段のような独特の道、ルート案内なのかやたらと石に丸いペイントがしてあって、見ていると気分が悪くなってくる。こんな迷うはずもない道でちょっとやりすぎと思う。だんだんと斜度が増してきて苦しくなってくるが、稜線が近付くに連れ澄んだ青空や雲、盛りを過ぎてはいるが可憐な高山植物が疲れを癒してくれる。今回のカメラは、GX100、手持ちでパッヒョ~ンと撮影していく。

 

 

急登をどんどん登ってようやく鏡平に到着(2280m)、槍の穂先をガスが流れていく幻想的な景観の中しばし休憩、池に映る逆槍が美しいといわれるが、水質が悪くあまり綺麗ではない。

 

 

 

弓折乗越までさらに登り、大きな風景を眺めながら稜線伝いに双六小屋を目指す。快適なはずが足取りは重く、ヘロヘロになりながら双六小屋に到着(2600m)。

 

 

強風が吹きすさぶ寒い中テントを設営、ここから双六岳の往復が当初の計画、S君は行く気まんまんだが、私とA氏は、もうバテバテで明日に備えてゆっくりすることになった。二人はさっそくビールを飲んでご満悦、飯を食べて暖かくなりテントで横になるとそのまま寝てしまった。目が覚めるともう夕暮れ時、鷲羽岳が赤く染まり、美しい空がテン場を包んでいく。

 

 

 

またまた飯タイムで、しばし盛り上がって就寝、槍へのきつい登りを考えているといつのまにか寝ていた。翌日は、樅沢岳への登りから、寒い中を一歩また一歩と登って行く。稜線に達するとこれから辿る西鎌尾根の向こうに槍ヶ岳が見えてきた。

 

 

北鎌尾根、穂高連峰も続き大パノラマだ。アップダウンを繰り返し進んでいくと槍がだんだんと鮮明に目前に迫ってきて、あまりに素晴らしいその眺めはどこまでも続いていそうに思う。

 

 

鎖場が現れるが大した難所でもなく通過、やがて千丈乗越に到着(2734m)。

 

 

 

ここからは岩だらけのきつい急登、登っても登っても全く進んでいないようにも思えてくる。ジグザクを何回繰り返したのか、回り込んでなんとか槍ヶ岳山荘に到着。

 

 

さあ、荷物をデポして槍の穂先への最後の登り、鎖で安全が確保されているが、頼ることなく登って行く。ちょっと双門を思い出す垂直梯子を何本かこなし頂上に立った(3180m)。狭い頂上はもちろん360度の大展望、どっちを向いても素晴らしい眺めだ。登ってきたどの登山者も誇らしい良い顔をしている。我々も言葉にだすこともなくお互いの健闘を讃え合った。

 

 

 

 

普通はここらで泊らしいが、下山しなければならない。槍ヶ岳山荘に戻って昼食を食べ、新穂高温泉に向け下山を開始、石ころゴロゴロの急坂を降っていく。降っても降ってもその道は続き足がパンパンになってくる。

 

 

槍平小屋に到着し、登山靴を脱いで大休憩、最後の水を補給して再出発。長~い長~い下山路はさらに続き、重い足を引きずりながら歩いていく。途中、滝谷出合にさしかかると奥に雄滝の雄姿が見え、足を止めて見入ってしまう。どこまで行っても終らないように感じる下山路は、暗くなる頃ようやく最後の林道、ヘッドライトを点け無い力を振絞って行進、槍ヶ岳山荘から7時間あまりかかって駐車地に戻った。帰りの車中で「もう二度と行きたくない人」と冗談半分で問いかけると、A氏と私がすかさず「は~い」と手を上げる。S君は、強行なスケジュールを「反省します」と何回も言っていたが、そんなことはなく、私もA氏も大満足、良き思い出の一ページになったと思う。