2013年2月3日
八ヶ岳 



滝屋の山登り・・・


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はんぺんさんとゆかちゃんと小淵沢で待ち合わせ、目指すのは、赤岳山荘。美濃戸口からの林道に入るとガチガチに凍結しているものの大峰辺りの林道に較べると軽いもんやと快調に走っていく。

ところが、カーブを曲がった次の坂であえなくストップ。う〜ん、やはりチェーンを付けといた方が良かったか。少しバックして四輪ロックをかけてスタートすると、グイグイと登ってクリア。その後も、わが家の小さな四駆は、力強く走って赤岳山荘の駐車場に到着。

今日は、行者小屋まで南沢ルートを行く。歩いていると体が火照ってくるが、心地よく感じる冷たい空気が冬山ならでは。やがて、真っ白く凍てついた山容が見えてきて、その上に拡がる澄んだ空が、今日の素晴らしい山行を約束してくれているようだ。



行者小屋に着いて止まっていると、思ったより寒く、手足を動かしながら準備。光り出した稜線は、雪煙が舞い上がっていて、それなりに風が吹いているのかもしれない。



はんぺんさんとゆかちゃんから雪山に行きたいと言われたが、氷瀑の経験はあっても雪山の経験はないと言う。どうしようかと思ったが、急斜面や高度感に慣れている滝屋的経験で大丈夫と判断。真っ白になった厳冬期の八ヶ岳は、厳しくも美しい姿で迎えてくれるだろう。

アイゼンとピッケルの使い方を練習していると、はんぺんさんが、この時点で既に足の指が冷たくて感覚が無いと言うが、私も足が冷たかったので、歩けば大丈夫だろうと出発。ゆかちゃんは、新調してきた冬靴が、とても快適らしい。

地蔵尾根へと樹林帯を登って行くと、美しい霧氷が着いているが、完全に影の中なのが、残念。



直ぐに傾斜が強くなってきて、雪に埋もれた階段や鎖が出てくる。息が上がって体も温まってくるが、足先は、そう簡単には暖かくならないようだ。



それでも、眩しいほどに白く輝く稜線が、冬の澄み切った空に聳立する姿を見ているだけで、心が熱くなってくる。その簡単には近づけそうに無い厳とした佇まいが、とても素晴らしい。







樹林帯を抜けると、開けた視界に凄い高度感が迫ってくる。中岳と阿弥陀岳も最高のかっこよさ。気温が上がってくるはずだが、影に支配された世界は、まだまだしんとした冬の空気に包まれている。





気の抜けない急傾斜なルートが続き、四足歩行を駆使して慎重に進んでいく。







やがて、冷たい日陰からようやく抜け出せる時が来て、鋭く突き上がっていく尾根をさらに登って行く。眩しい雪面に照らされて、青空に向かって飛び出して行くような浮遊するような感覚が、これぞ雪山といった感じ。









そして、最後の方のナイフリッジを慌てること無くゆっくりと越えて、地蔵の頭へと登り着いた。





溢れる光が本当にありがたく、力がみなぎってくる気がする。





南には、迫る赤岳、北には、横岳から硫黄岳と最高の眺め。浮かぶ北アの稜線ももちろん素晴らしい。







展望荘の風力発電を支配するエビの尻尾を透過する光が、これまた美しい。

はんぺんさんが、「もう足先の感覚が全く無い」と言うので、「下山してから切れば大丈夫」などと冗談を言っていたが、展望荘に入って暖をとることに。温かい物をいただくと、直ぐには動けなくなって、1時間近くも休憩してしまった。



外に出ると気温が上がっているようで、ポカポカと気持ちよい。風が吹いて雪煙が舞っているが、冬の八ツでは、そよ風程度だろう。



赤岳頂上へと続く稜線も急だが、地蔵尾根程では無く、ガシガシな雪面にアイゼンを効かせて登って行く。相変わらず降り注ぐ光と抜けるような青空が最高。











山頂は、これ以上ないような穏やかさに包まれて、本当に良い日に登ることができたようだ。南側のギボシ、権現、その向こうには、仙丈、甲斐駒、北岳も見えて大展望が広がる。









それでも、私自身は、山頂からの眺めが最高とは思えないところがある。阿弥陀や横岳は、低く小さくなってしまい、途中から見えた圧倒的な存在感が気薄だ。やはり、山は、少し下から見るのがいいように思う。



下山は、文三郎尾根ルート。地蔵に較べると傾斜が緩いが、転げ落ちるとただでは済まないので、慎重に下降。









それにしても、荒々しい岩肌にびっしりと着いたエビの尻尾が見せる白は、厳しい冬を感じさせるに十分な凄い眺め。まるで原始の世界に迷い込んだようで、この山が誕生して以来、変わらないものが、そこにあるようにさえ感じる。紺碧以外の何ものでも無い冬空は、宇宙の果てまで見えているようだ。













分岐からは、北から南へと続く八ツの峰々を見ながらの緩やかな下降。





行者小屋まで降りてくると、雲が出てきて空が少し霞んでいるが、朝とは違い暖かくて快適。カップ麺タイムで、またまた大休憩。



帰りに別れの挨拶をしようとふり返ると、霞んでいた空は、何時の間にか澄んでいて、「また来い」と言っているようだった。



南八ツのほんの僅かな部分に触れただけかもしれないが、その佇まいは、凜とした美しさに満ちていた。アルペンムードな岩稜に足を運べば、冬の厳しさや無を全身で感じずにはいられない。

開発による山浅さは、もちろんあるが、その分アクセス容易に素晴らしい高峰へと導いてくれる。たおやかな北八ヶ岳と急峻な南八ヶ岳、まだまだ訪ねてみたい魅力溢れるところだ。

はんぺんさん、ゆかさん、どうもありがとうございました。



撮影機材

Panasonic Lumix DMC-G5
LUMIX G X VARIO PZ 14-42mm/F3.5-5.6 ASPH/POWER O.I.S.
iPhone 5