2013年5月5日
滝川 刈安谷



ジャングル、そして・・・


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滝の写真を見ていた嫁さんが、ジャングルへ行きたいというので、どれどれと見てみるとカリヤスの四ッ滝だった。それでは行ってみるかと、もとなかさんに声をかけて三人で突撃。

刈安谷といえば、笹の滝。笹の滝はもちろん素晴らしいが、その上には物凄いゴルジュが続いている。



先ずは笹の滝を越えるのが一苦労。左岸のルンゼを登り小尾根を乗越して下降ポイントを探すが、高く登り過ぎたみたいでウロウロ。





なんとか見つけた下へと伸びるルンゼは、下降点が何カ所かあり、降りやすそうなところを少しフリーで降りてから懸垂。









降り立ったところは、笹の滝の落口でなかなかの高度感。



谷を少し進んでみるが、とても辿れそうにないので、左岸から巻いていく。前回の記憶を頼りに高度を上げすぎないように進んでいくと、殆ど垂壁のちょっとした難所。トラロープが架かっているが、それが無ければとてもここを行くとは思えないような感じ。進んでみるとトラロープに頼らなくても行けるが、やはり際どいのでロープを出してルート工作。



嫁さんが通過してからもとなかさんをフォローで引っ張り、そのままトップを入れ替わって、もとなかさんが前進。嫁さんが続いて、最後にフォローで引っ張ってもらって終了。







見下ろす谷間は、落ちると一巻の終わり、時間がかかってしまったが安全第一。



ホホゴヤ谷の出合に立つと、ちょっと水量が少なくて残念。おまけに日が差さないので寒い。それでも今日はじっくりと写真を撮りに来たので、撮影開始。







とにかく物凄い地形で、高い壁が手前から奥へと切れ込んでいき、その一番狭まった溝を落ちる様が圧巻。なんとか写真で表現しようと試みるが、実際に見る凄さにはとても及ばない。







この後は、磨き抜かれた岩と流れゆく綺麗な水を見ながら次から次へと出てくる滝を越えていく。









トユ状滝を見ながら大きく巻くところでは、またまた高く登り過ぎてしまい失敗。前回は、キンゴさん達の後を着いて行っただけだったが、やはり自分自身でルートを開いて歩かなければ、よく覚えることができないようだ。





そして、最後のツルツルの斜めった岩盤越えが、とてもデンジャー。ここも複雑にトラロープが張り巡らされているが、ロープを出してルート工作。確実に通過した。

谷に降り立つと、しばしの癒やし渓で、巻きの疲れにゆっくりと休憩。ここから少しで、いよいよ四ッ滝の始まり。三人で「ジャングル、ジャングル」と連呼。なるほど、その不思議な佇まいは、ジャングルの奥地に落ちる滝のように思えてくる。



抉り抜かれた岩盤の中を連段となって落ちていく様は、なかなか見ることができない素晴らしさ。何より豊かな水を湛えた深い釜が、滝や渓の美しさを加速していく。



三段目の壺を左岸に渡ってから簡単に巻いたような気がするが、遠目で見る限り左岸は簡単に登れそうになく、とても不思議。たぶん近付けばルートが見えるのだろうが、冷たい水に浸かって渡る気になれず、もとなかさんが偵察で見つけてきた右岸から大きく巻いた。そんなことで、四ッ滝の一段目を飛ばしてしまったかもしれない。

四ッ滝を越えると待っているのは美しい湧き水帯。





ここも濡れる気になれないので、左岸を巻き上がっていくと湧き水が溢れる美しい森。前回も思ったが、ここはとてもとても良い所、何時の日かテントを張ってゆっくりとしてみたい。







谷に戻って最後の見せ場へと岩を乗り越え前進。





壁が立った突き当たりには、大きな空間が現れ、二つの滝が静かに落ちている。



前回は豪雨の中、夫婦滝の飛沫を浴びたことを思い出すと迫力に欠けることは否めないが、今日の繊細な流れもとても美しい。









右岸から巻くとカリヤス谷も一気に平流になる。

少し進んで緩い斜面から下山にかかり、途中から整備された道を外れて廃道に入っていく。ここを辿れば林道の関門の外に降り立つことができるのだが、撮影などでゆっくりしすぎて途中から暗くなってしまう。崩れた橋や寸断された所が何カ所も現れて暗い中で先を探すのは大変。登ったり降ったりを繰り返し、石切場のような所まで到達するが、ここから先がさらに大変だった。

ヘッドライトが、だんだん暗くなってきて、よく見えない中でウロウロ、時間だけがどんどん過ぎていく。三人で動き回ると危険と判断し、私と嫁さんが待機して、もとなかさんが急斜面を降りてルートを探しに行くが、なかなか帰ってこない。かなり広範囲に探しているのかもしれない。この時点で嫁さんは、石切場まで戻ってビバークしたほうがいいんではと言うし、ようやく帰って来たもとなかさんは、珍しく疲労困憊な様子で、開口一番に出てきたのは、「もうビバークしましょう」。

それでも諦めきれない私は、もう一回だけ見てくると、もとなかさんに変わって下へと降りていく。右へと行けば、スラブの上を滝が流れていてとても進めない。それではと左へ行けば、やはり同じような滝に阻まれる。暗闇の中に浮かび上がる滝は、とても巨大に見えるし、足下をすくわれると大変だ。なるほど、もとなかさんが、「滝があって無理」と言っていたのは、このことだろう。

う〜ん、前回この辺りから下降したのは間違いないはずと考えていると、大きな間違いに気づく。石切場まであったような踏み後があると思って、それを一生懸命探していたが、そんなものは多分無いのかもしれない。そうであれば、滝と滝の間しかなく、傾斜の緩いところを繋いで降りていくのが正解なのだろう。

その考えで進んで行くが、前方には巨大な岩が鎮座していて万事休す。ところが、近付いてみると横を巻いて進むことができ、その先には、暗いながらもヘッドライトの明かりに照らされて小さな尾根が下へ向かって伸びているのが、うっすらと見える。これは、っと、その尾根を駆け下っていくと、やがてアスファルトらしいものが見えてきて、そこは、間違いなく道路だった。

急いで登り返すが、最後の方でどこから降りてきたのか分からなくなり、大声で呼びかけると返事が返ってきて一安心。今度は、三人で慎重に降って、本当になんとか帰還できたという感じ。やれやれ、闇下山の時間を更新してしまった。

嫁さんは、最後まで冷静でいてくれたし、いつの間にか凄く成長していたのかもしれない。もとなかさんは、今回もとてもがんばってくれて、本当にお疲れ様でした。そして、ありがとうございました。



撮影機材

Panasonic Lumix DMC-GH3
LUMIX G VARIO 14-45mm/F3.5-5.6 ASPH./MEGA O.I.S.
OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4.0-5.6

Panasonic Lumix DMC-FT3
Panasonic Lumix DMC-FT4

4 コメント

  1. “すぎちゃん”

    サバイバルですねー!
    冷静なご判断が道路に繋がっていたのでしょう。

    ジャングルっていうお言葉に対して人類が今までどれほど多くの自然を破壊してきたのだろうと感じました。
    古代人の時代は、このような素晴らしい光景が当たり前だったのでしょうね。

    そういう意味で紀伊半島、本当に素晴らしいです。

  2. パンダ

    すぎちゃんさん

    四ッ滝辺りは、濃密な何かを感じる原始的な景観です。
    おっしゃるように、こんな素晴らしい自然に感謝し壊さないようにしなければなりませんね。

    サバイバルは、反省です。

  3. 臆崖道

    この記事を見落としていました_(_^_)_
    山ノ神なら冷静に居られなかったでしょうガクブル

    ところで、最近ちょっと絵が変わったなと思ったら、メイン機がGH3になったのですね(この山行から?)。

    私は軽量化という点ではm4/3に魅力を感じてはいるのですが、やはりファインダーを覗かないとダメな古い人間のようで、モニター画面でのフレーミングには抵抗を感じています。まあ感覚的な理由以外にも、眼視のピントがモニター画面に合わないということもあります。今年に入ってからは山行中はコンタクトを着用するのがほとんどになっているのですが、老眼の進行と例の左眼の短焦点で老眼鏡をかけないと地形図も読解できませんorz

    ただバリアングルは便利そうです。それでいて防塵防滴とは、一体どのようなシーリング技術が施されているのか?と驚きです。

    ん~でもGH3になって肥大化したような・・・

  4. パンダ

    臆崖道さん

    絵が変わったのは、機種よりも現像の仕方だと思います。パナセンサーに較べてソニーセンサーは、ダイナミックレンジが広くなり、ノイズレベルが下がったと言われていて、たしかにそのように感じます(一方でソニーの方が若干パンチに欠けるような気もしますが、たぶん気のせいです。)が、現像の仕方や優れた現像ソフトの力の方がずっと影響が大きいと思います。

    GH3が無用に肥大化したのには、いい思いがしません。滝飛沫を浴びたり濡れた手で操作したくらいでは壊れませんので、防塵防滴である必要はないと思ってます。

    パナ機もエレキですがファインダーは付いてますし、普通に覗いて撮ることができます。光学ファインダーに拘る人に言いたいですが、撮影した後に背面のモニターで絵を確認するんではないですか。それで不満があれば、また撮るんじゃないですか。それだったら、最初からそれに近いものがファインダーに映し出されているほうがいいんではないでしょうか。

    バリアングル液晶にレンズの付いたフードを被せれば、それはそれは大きなファインダーになり、ある種素晴らしい世界です。私も老眼には悩まされていますが、ファインダーは視度調整で、液晶フードにも調整の付いているものがあり、問題はありません。地形図等を見るときは、老眼鏡ではなく小さな虫眼鏡を使ってます。

    滝の輝きを白飛びさせることなく、おいしい絞りでスローシャッターを切ろうと思えば、PLフィルタにND16を二枚の三枚重ねなんてこともごく普通です。こんなことをすれば、光学ファインダーでは何も見えませんが、エレキのファインダーでは問題なく見えます。

    動きものでも撮るのでないがぎり、レフは百害あって一利なしと考えてます。素通しの像が見えないこと以外は、全ての面でレフなしの勝ちです。レフが無ければ、レンズ設計もより自由になり、よりよい広角レンズが作りやすくなりますし、大きなフォーマットでも隅々まできちんと写しやすくなるでしょう。

    デジタルなんですから、フィルムの概念に縛られること無く、もっと自由な発想でカメラを作ってほしいところです。各社ともレフを捨て本腰を入れて次の段階に進めば、もっと高性能な物になると思いますが、レフ付=高級機、レフなし=安物。このような概念が変わらないかぎり、それは無理でしょう。

    SONYが何かやってくれそうな気もしますが、ニコンとキャノンがやらなければ、同じく変わらないですね。

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