2014年2月22-23日
八ヶ岳 



聳え立つ稜線・・・


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甲府は、2月7-8日と降雪が続き、2月の観測史上3番目の積雪量43cmを記録。えらいこっちゃと思っていたら、14日から再び大雪が襲来。15日には、観測史上最大の114cmの降雪となった。陸の孤島と化した山梨は、全ての機能が麻痺し、スーパーからは、食料品や日用品が消え失せた。

ようやく機能を取り戻してきた週末、山には、絶好のチャンスが訪れた。しばらく、入山者がないとの情報だったが、美濃戸からの南沢ルートには、気の早い登山者によって深いトレースが着いていた。



素晴らしい青空に、この冬最高の好天は、間違いなし、ところが、行者小屋に着いたころには、既にバテバテ。風邪を引いてしまっていたが、思ったより調子が悪い。



もとなかさんと嫁さんが、行者尾根から最短コースを行こうと言ってくれるが、私は、文三郎からの周回を捨てきれず、「いや大丈夫」と出発。





紺碧の空に横岳が聳え立ち、明るい眺めが、大きく広がっていく。





浮かび上がる北アもいい天気。う〜ん、あっちも捨てがたかったなと、なんとも悩ましい。









中岳分岐の辺りからは、風が出てきたのだろうか。フードを被っているが、風がどうだったかは、あまり覚えていない。



贅沢な悩みだが、エビの尻尾が着いてなく、岩肌が見えてしまうのが、ちょっと残念。昨シーズンのような白に覆われた荘厳な世界とは違う。



さすがの雪も風で飛ばされてしまっているようだったが、南側へと回り込んでいくと、かなり積もっている。



この辺りは、トラバース気味な登りで、やや緊張する所だと思うが、雪が多く安定しているのか、非常に歩きやすい。



傾斜が強くなってきて、ちょっと渋滞気味。







安定した雪質は、主稜線まで続いていた。









爽やかな山頂にもとなかさんと嫁さんは、とても嬉しそう。私は、かなり苦しかったが、山頂に立ててホッとする。







頂上山荘の近くで大休憩してから、今宵の宿の展望荘へと下降。







展望荘に転がり込み、暖かい飲み物で寛ぐ。この週末は、どこへ行こうかと、かなり迷ったが、今日は、展望荘の最終営業日。冬が始まった当初から、この稜線から朝夕のドラマを見たいという想いがあり、やはりここしかないという選択。



お日様は、阿弥陀岳の向こうへと姿を消してしまうが、その光が、山を一時の色に染めていく。



移ろいゆく光は、山を夢見させ、それは、ここに立ってこそ見ることができるあまく幻想的な世界。最高の瞬間は、直ぐに過ぎてしまうが、カメラは、それを鮮やかに捕らえてくれる。











そして、彼方の空を静かに燃やし、終演を迎える。



小屋に戻ると、食事タイムも終盤。こりゃ忙がしいと慌てるが、そんなことは無く、ゆっくりと飯タイムを楽しめた。



翌朝もいい天気。雲海の上に富士山がポッカリと浮かんでいる。



昇ってくるその瞬間が、たまらない。





パワー漲る光に炎と化した雲が、生き物のようにうごめき、冬山の鮮やかで明るい世界が始まる。







日の出と朝飯が重なり、またまた忙しい。慣れた人達は、早く出発していくが、我々は、小屋での生活スキルが、なんとも低く、今後の課題だと感じる。



ちょっと遅い出発になってしまったが、さあ行こう。今日もいい天気が続きそう。



体調もかなり良くなって、朝からハイテンション。



横岳〜硫黄岳への縦走は、二十三夜峰を巻く梯子から。









東側をトラバース。日ノ岳ルンゼが高く見える。







急傾斜なルンゼをヨイショヨイショ。





なかなか素晴らしい高度感。



稜線に登り出て一息。



今度は、西側を降って行く。





トラバースまたトラバース。











またまた東側から攻める。



誰も歩いてなさそうな杣添尾根を右下に見送ると、横岳までは、あと一息。



ここは、P2829無名峰か。辿ってきた荒々しい稜線が素晴らしい。







そして、天に突き上がるような横岳奥ノ院への登り。



いやいや、もう最高。どこを見てもダイナミックな眺めが展開。









奥ノ院からは、細い尾根を慎重に下降。東側の梯子に乗り移るところが急で、バックモーションで降りていく。





岩の隙間を抜けて、また西側へと下降。







トラバースの後、またまた岩の隙間から東側に戻り、へばりつくようにトラバース。ここのトラバースは、ちょっと細い。



さあ抜けた。前には、穏やかな尾根が続いている。









硫黄岳山荘付近は、噂の強風地帯。



小屋の陰で休憩できるかと考えていたが、殆ど埋まっていて、風を避けることができるような所はなく、とても無理。





見事な雪の造形の上を雪煙がぶっ飛んでいく。









風を抜け、空に向かって一直線。





硫黄から見ると、逆光線に浮かび上がる八つが一段と荒々しい。





いよいよお別れ。







赤岳鉱泉では、外でランチタイム。



最後まで紺碧の空が見送ってくれる。



横岳を越えていく縦走路は、急峻な南八つらしい高度感が続く素晴らしいルート。大きな眺めに心奪われ、開放的で浮遊するような高揚感に満たされた。

もとなかさん、どうもありがとうございました。



撮影機材

SONY NEX-6
E18-55mm F3.5-5.6 OSS

Panasonic Lumix DMC-GX7
LUMIX G VARIO 12-32mm/F3.5-5.6 ASPH./MEGA O.I.S.
LUMIX G X VARIO PZ 45-175mm/F4.0-5.6 ASPH/POWER O.I.S.

Panasonic Lumix DMC-GM1
LUMIX G VARIO 12-32mm/F3.5-5.6 ASPH./MEGA O.I.S.


4 コメント

  1. もとなか

    天候に恵まれ清々しい山行でした。
    朝夕のドラマも神々しく鮮烈でした。
    雲から顔を出した富士山も綺麗で初めて富士山かっこいいなと思いました。
    だからと言って富士山に登る気には全くならないですが。

    僕はしょっちゅうピッケルで何かを指し示してるんですね。
    癖なんでしょうか。

    18-55mmの画はどーでしたか?
    16-50mm EZは隅の像の流れが目立って補正しても違和感があったのですが。
    逆に中心部の画質では16-50mmの勝ちとは思うのですが僕の好みは18-55mmなのでレンズが長くて邪魔ですがこっちでいこうかと考えています。

    ありがとうございました。
    またよろしくお願いします。

  2. 臆崖道

    この縦走路はもちろんのこと、まだ赤岳のピークにさえ立てていないおくが家には、まだ○年早そうです。
    それにしても、もとなかさんはまだしも、smallさんがこんなデンジャラスな岩場のトラバース最中に激写されるとは・・・恐れ入ります。
    ※『さあ抜けた』の上の絵のトラバースには、鎖らしきものが見当たらないので、岩壁が完全に氷化してたら大変だろうなぁ。

  3. パンダ

    もとなかさん

    おっしゃるように全域における解像感の均一性においては、18-55mmの方がいいようですね。設計的に無理がかかってないからでしょうか。

    ピッケルで何かを指しているのは、何事にも興味が尽きない、もとなかさんの探究心の表れではと思います。

    この冬一番の天候の下、素晴らしい山行でしたね。ご一緒できたことを嬉しく思います。
    滝シーズンもよろしくお願いします。

  4. パンダ

    臆崖道さん

    鎖は、出てたり出てなかったりでしたが、あそこは、完全に埋まってたようです。

    昨年の赤岳登下降に較べると氷化したところは少なく、非常に歩きやすかったように感じました。ご存じのように高山ならではの高度感はありますが、ここは八ヶ岳ですから、人が入れば難易度は、うんと下がりますね。ですから、慎重に行動すれば、大きな問題はないと思います。まあ、トレースがなかったりすれば、全く違うとは思いますが。

    嫁さんは、私なんかよりずっと丁寧に歩きますし、ある意味安心です。それと、この前の鉄山の方がずっと厳しいと感じたみたいです。

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