2014年4月12-13日
北アルプス



燃え尽きた・・・


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新穂高温泉のロープウェイ乗り場から見えるのは、爽やかな青空と白い峰々。



ロープウェイに乗ったのは、12時30分の便だったか。とりあえず西穂山荘まで行くだけなので、思い切りゆっくり。



山荘のテン場でお家を設営。今日は、風があるかもと思ったが、ここは、とても穏やか。



山荘でラーメンを食ったら、することもないので水作り。何時も二人で5~6Lは、作る。



EVERNEWのウォーターキャリーにモンベルのコーヒードリッパーで濾過した水を入れ、使う時には、さらに浄水器を通す。雪を溶かした水をそのまま飲むと、かなり不味い。味を付けて誤魔化したり、気にしないのもありだが、わが家では、浄水器を常用している。

以前に使っていたスーパーデリオスは、絞って水を出すのに力が要って一仕事だったが、SAWYERに変えてからは、快適になった。これらの浄水器を付けるなら、容器は、platypusではなく、EVERNEWでなければならない。



今回の行き先として、後立山方面も魅力的だったが、嫁さんが西穂に行きたいと言うので、それでは、朝夕のドラマに期待して、ゆっくりと楽しもうと計画。

そんなことで、そろそろいい時間かと、丸山へと出発。



斜光線が、早くも山をアンバーがかった色に変えていき、これから起こることに期待感十分。



丸山は、団体さんで賑わっていたので、さらに上を目指して登っていく。









さらに低くなった光は、弱くなっていく一方で力強さを増し、白き雪面を茜色、そして薄紅色へと塗り替えていく。







独標基部辺りまで来たが、ピッケルを持ってこなかったので、登るのは諦めてその時を待つ。

ここまで来ると、さすがに誰も居ない。二人だけで、その素晴らしい出来事に包まれ、心まで染まってしまいそう。







笠ヶ岳の向こうの空が、なんともいえない色合いになり、とてもとても美しい。うっすらと広がる雲が描く、微妙なグラデーションが、美しさをさらに延ばしていく。



そして、雲に遮られながらも、太陽の力が衰えることは無く、空を燃え上がらせて静かに静かに消えていく。







太陽が消えた後も、雪面は、十分に明るく、ヘッドライトなしでテン場へと帰還。



昨シーズンの慌ただしい山行とは違い、テン場でのゆったりとした時間に、やはり泊にして良かったと思う。



翌日は、やや天気が悪いかもと思っていたが、雲はあるものの良い感じ。早起きして、丸山付近まで登ってきた。



空が昨日以上に幻想的な色に包まれ、山は、大いなる力で満たされるのを待っているよう。









かなり明るくなってきたが、どうやら前穂からの稜線に遮られて太陽は、見えない。もう終わってしまったかと思ったが、次の瞬間、霞沢岳の稜線にポッと灯がともり、その時が訪れる。



その大きな構えを、これ以上無いような美しい色で満たす乗鞍。



双六への美しい稜線がゆらめき、さらに美しさを増していく。



雲か靄か、光がふんわりと拡散し、その向こうに浮かび上がるのは、南アルプスや八ヶ岳。山が夢見るほんの一時は、穏やかな美しさに満たされた。





ぼちぼち歩いて、昨日、夕景を眺めた辺り。



明るくなってくると、天気は、予想通りの薄曇り。しかし、予想通りでないのは、空気が冷たく、とても寒い。



独標への登りは、所々凍っているが、安定した雪で歩きやすい。







前のパーティは、独標から懸垂下降。





登って降ってと繰り返し。











ピラミッドピーク。

ここまで歩いてきて、昨シーズンに来たときのような危うさを、全く感じなかった。雪が安定していると、これ程までに違うのかと思う。





















空が少し澄んできて、迫る西穂が眩しい。















最後の登りか、何か違うような。



山頂直下は、四足歩行での登下降が必要だったはず。西穂ピークは、まだ先と思っていた。



そんな訳で、普通に歩いていくと山頂の山名板が現れて驚いた。



北アならではの壮大な眺めが、やはり素晴らしく、ドピーカンではないが、筋を引く雲と空とのコントラストも、とても美しい。













十二分に満喫したので、ぼちぼち帰ろう。













独標を越えると、広い斜面になり、ピッケルよりストックが楽。



テント撤収後は、ザックがでかい。帰りもロープウェイで、楽々下山。



もう少し雪シーズンを頑張るかと思っていたが、結果として、これが、最後になった。

アップダウンを繰り返して続く西穂への道は、もちろん素晴らしく、朝夕は、期待以上のドラマが展開。嫁さんが、珍しく呟いた「燃え尽きた」という言葉が、今回の山行の全てを表していたように思う・・・



撮影機材

Panasonic Lumix DMC-GX7
LUMIX G VARIO 12-32mm/F3.5-5.6 ASPH./MEGA O.I.S.
LUMIX G X VARIO PZ 45-175mm/F4.0-5.6 ASPH/POWER O.I.S.

Panasonic Lumix DMC-GM1
LUMIX G VARIO 12-32mm/F3.5-5.6 ASPH./MEGA O.I.S.


3 コメント

  1. 臆崖路

    モンベルのコーヒードリッパーまでは同じですが、さすがに浄水器までは使わないなぁ・・・(味でごまかしますから)

    まあそんなことはどうでもよくて、朝の色が最高によさげです。ドピーカンのクッキリスッキリ日の出より断然に複雑でドラマ性高い情景ですわ。私はまだこんな朝を見た記憶がありません。
    んで“燃え尽きた”のはもちろんメンタル面ではなく、空がですよね(笑)。

  2. 臆崖道

    あや?HNが打ち間違えてる。
    どうも信州の通信事情はいかんなぁ(意味不明)。

  3. パンダ

    臆崖道さん

    もちろん、どっちもですが、せっかくうまくまとめたのに、そこを突っ込んだらあきません。

    やっぱり、雲やガスがあると、ええもんを見ることができるようです。思い出しても、にやけてしまいます。

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