2014年5月3日
高田川 内鹿野谷
きらきら・・・
GW後半、また南紀へとやってきた。それにしても、あの暴力的な水は、たちまち引いてしまったようで、ほんの数日前の状態は、とても想像できない。
水車小屋からスタートして、遊歩道を歩いて行くと、直ぐに美しい水色が迎えてくれる。
臆崖道さん、山ノ神さんとは、久しぶり。
ズリ岩は、どうしてこうなったんだろうか。中を通れば、面白そうだが、まだそんな気には、なれない。
水に日が差し込み出すと、その透明度が、さらに増していく。
そして、見えてきた滝からの水が、大きな淵に流れ込み、早くも最高の輝きを見せる。
この美しい滝の名前は、諸説あるみたいだが、ナマズ口滝が、似合っているように思う。そして、下の大きな淵が、ナマズ淵。
左岸から巻き上がると、ちょうど落口の上で、いい眺め。
山ノ神さんと嫁さんは、もう一段上を、さらに巻いて進んだが、男性陣は、ロープを張って、落口の横を通過。
さっきの滝が、ナマズ口なら、次の滝は、出合滝。
降り注ぐ強い光線は、辺りに生命感を与え、漲らせているよう。滝水は、これでもかと言わんばかりに白く輝き、壺から溢れゆく水が、ゆらゆらとナメの上を滑って行く。
左岸滝近くをヨイショと巻き上がる。
上は、穏やかなナメロード。きらきらと煌めく渓をジャブジャブと歩くのは、最高の気持ちよさ。
左岸支流から入る滝を見送ると、前衛滝の上に期待の一ツ落滝が見えてくる。
前衛滝もなかなか面白い。左岸から簡単に越えていく。
一ツ落滝の美しさには、本当にびっくり。
大きな釜に湛えた美しい水こそ美瀑の証。揺るぎない立派な姿に新緑を纏い、今が、最高の時かもしれない。美しき滝を数多く内包する南紀においても、必見の一本だろう。
左岸の急斜面を巻いて行くと、登り出たのは、栂ノ戸滝が見える左岸壁のリッジの上。この地形、どこかで見たことあるような気がしたが、ノウナシ谷の千手滝から馬頭滝にそっくりだ。
やはり、滝前へと行きたいので、そこへ続いているように見えるルンゼを懸垂下降。
30mロープ一杯で降りたところは、滝の途中の岩盤の上。
さらにロープを延ばせば、降りることができそうだが、ズブ濡れ必至だし、帰りの事を考えると、ここはあかんと、また登り返す。
仕切り直して、リッジを下流方向へと少し降り、そこからロープを出して、一ツ落滝の落口付近へと降り立った。
栂ノ戸滝は、直ぐそこ。
左岸側に空きスペースが無く、あまり構図を変えにくかったが、一生懸命に撮影。
栂ノ戸滝も大変に立派。岩盤を複雑に流れ落ちる独特の姿に目を奪われるが、その水が描く軌跡は、とても美しい。
さてさて下山。リッジ上へと登り返し、そこから口高田へと続いているらしい道へは、すんなりと出た。そのまま口高田まで行くと、大迂回になってしまうので、営林小屋を過ぎた辺りから方向を変え、水車小屋からの道を目指して下降。
伐採の倒木に苦労しながら薄い踏み跡を辿り、なんとか元来た遊歩道に繋がった。
陽光降り注ぐ、沢歩きは、やはり最高。光が水に反射し、影と交差する様は、ちょっと言葉では、表現できない程の沢ならではの美しさ。
撮影的には、雲天時のフラット光は、しっとりとした平均的な絵を撮ることができるが、それ以上の絵を撮ることは難しい。強い光が作る明と暗は、撮影に向いていない、なんてことをよく聞くが、それ故に挑戦しがいがあるし、躍動的で輝かしく、何より、その一瞬の煌めきを写し止めることができるかもしれない・・・
臆崖道さん、山ノ神さん、ひこさん、どうもありがとうございました。
撮影機材
OLYMPUS OM-D E-M1
LUMIX G VARIO 14-45mm/F3.5-5.6 ASPH./MEGA O.I.S.
LUMIX G X VARIO PZ 45-175mm/F4.0-5.6 ASPH/POWER O.I.S.
OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4.0-5.6
Panasonic Lumix DMC-FT3
Panasonic Lumix DMC-FT4
確かに仰る通りです。私の絵と比較してみると、その違いがよくわかりますorz
一ツ落の水流をバックに新緑のカエデを入れた絵なんか、黒くツブれてしまっているし・・・
話は変わりますが、ここ紀伊山地は雨量も少ないし、梅雨っぽくないですね。
臆崖道さん
いえいえ、滝撮影では、「ドピーカンで満足に撮影できなかった」などの話をちょこちょこ聞きますんで、一般論として、そうともかぎらないということを言ってみたかっただけです。一ツ落の絵も全く潰れてないんではと思います。
中部地方でも雨が降らないんで、どうしたんかという感じです。ショボイ雨が、7月後半までダラダラと続いたりしたら嫌ですが、そうならないように祈ってます。