2014年8月30日
白川又川 明芽谷



ゴルジュの彼方・・・


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明芽谷か茗荷谷か、どっちが正しいのかよく分からないが、ふぇるめーるさんの呼びかけにより集まったのは、臆崖道さん、ヒロさん、ふぇるめーるさん、そして私のおっさん四人。

岩屋谷の橋の手前から歩き出すと、久しぶりに見る岩屋谷が、両岸とも人工的な姿に変わっていて驚く。



明芽谷に入ると、簡単そうに見えるへつりが、意外と難儀で大騒ぎ。





最初に出会う美しい斜瀑を見て、全員ザックを降ろしカメラを出す。



明芽谷といえば、壮絶なゴルジュを内包する険谷として知られるが、この優雅な流れを見ていると、そんなことは、とても想像できない。





次の滝は、綺麗な釜を有していたが、倒木があって残念。





そして、楽しみにしていた三段の滝。流れゆく美しい様を見て、もう少し日差しが欲しいと思うが、今日もすっきりしない天候で、それは叶わない。







中段まで登って、上段は左岸巻き。







壁に囲まれた中に落ちる滝は、美しいだけでなく、格好いい。強固な岩盤にかかる水のカーテン。その裏にも分岐した流れが落ち、とても素晴らしい。







左岸からの巻きは、テクニカルではないが、思ったより高く登らされた。



ここは、どうやって越えたのか、全く思い出せない。



さあ来た。大ゴルジュの入り口。立ちはだかる壁が狭まり、その彼方に見える白き瀑流。あの放射が、今回の目的地。

直ぐそこにあるにもかかわらず、それは、彼方と呼びたくなる程遠い。



右か左か真ん中か。いや、真ん中は、ありえない。ここは、事前に現地判断で考えようと協議していたが、予想通り左の方が低そうで、右岸に入るルンゼに活路を見出そうと入っていく。

途中に登れそうなところがあり、安易に取り付いたが、ちょっと難儀で、さらに上からうまく巻き登ってきたフェルメールさんとヒロさんにロープを降ろしてもらう。



壁を登ったところからは、ゴルジュへと戻るようにトラバースラインを探る。ジリジリとロープを延ばして進むが、立った壁に全く気が抜けない。ようやくトラバースが終わり壁を回り込むと下にゴルジュが見えてくるが、ここは、まだまだ高い。

今度は、ふぇるめーるさんが、斜め下へとロープを延ばし、ゴルジュに迫っていく。



ゴルジュの底まで、10mか20mか。あと僅かの所まで来るが、ここで行き詰まってしまう。危なげな頼りない支点にセルフをとり、さらなる下降ルートを探そうとするが、立っているのもやっとの斜面で、あまり動き回るのも危険だ。

強固な支点があればと思うが、それは全く見つからず、敗退の色が濃くなってくる。全く覚えていないが、「くっそ〜」という言葉まで吐いたらしい。

それでも、諦めきれない私は、少し下流側にしっかりした立ち木を見つけ、そこからなら、後少しだけ降りることが出来ると、ヒロさんから受け取った最後のロープに最後の望みを託す。壁の淵の向こうは、スパッとキレ落ちているようにしか見えないが、他にルートは見当たらず、そこに何かあることを祈りながら降りていく。

壁の淵が近づいてくると、その先が徐々に見えてきて、思わず歓喜の雄叫びを上げる。そこには、細く滑っていながらも、やや曲がりながらスロープ状に岩盤が続いていて、慎重にゴルジュの底へと着地した。





白い輝きが踊りながら落下する溝は、どうやって作られたのだろうか。見たかった光景が、目の前にある。





舞い散る飛沫に逃げ場は無く、木霊す滝音は、本来もっている以上に大きい。滝壺となったゴルジュの底は、その全てを美しき水で満たし、厳しいだけではない表情を見せる。もう二度と見ることは無いかもしれない、その幽遠なる世界を忘れないでおこう。





ゴルジュから脱出した我々は、左岸上の杣道を拾い、それを下流方向へと辿って行く。最後の方で不明瞭になり、沢へと降りたが、うまく明芽谷入り口へと戻ることが出来た。



できる沢屋さんから見れば、何を大層なと言うかもしれないが、我々には、一杯一杯で、目的を果たし無事戻れたことは、感慨深い。

明芽谷ゴルジュに落ちる滝は、大滝ではあっても決して大瀑ではなく、小さく地味な滝だろう。しかし、私にとっては、大瀑以上の魅力がある挑む価値のある滝だったと思う。

そんな小さな滝を愛す今回の四名は、そういう意味では、変わっているのだろうが、それは、ともかく、とても素敵なチームだったと思う。また、このメンバーで何かに挑みたい・・・

臆崖道さん、ヒロさん、ふぇるめーるさん、どうもありがとうございました。



撮影機材

OLYMPUS OM-D E-M1
M.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4.0-5.6
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO
LUMIX G VARIO 45-150mm/F4.0-5.6 ASPH./MEGA O.I.S.

Panasonic Lumix DMC-FT4

6 コメント

  1. 臆崖道

    いや~パンダさんがおらんかったら、確実に敗退してましたわ_(_^_)_

    15m美瀑の下の岩間滝は、詰まってしまい、左岸からイージーに巻きました。

    それにしてもいつもながら水流や岩盤のディティールが、シルクの工芸品のようにきめ細やかに表現されているのは素晴らしいです。
    私の絵がずいぶんと明るめになっているのは、ちょっと意外でした。そう言えば最近、ブラケットで撮った中でも+0.7EV補正露出のRAWを使っているものが多いです。

  2. 大野

    茗荷谷は短い谷ですが、なかなか手強い谷でしたね。
    私は最後は気力負けして静観させていただきました。
    まあしかし、ゴルジュの中に降りて滝が撮影できて良かったですね。
    茗荷谷ゴルジュまでの流域は実に繊細で美しい渓相でした。

  3. パンダ

    臆崖道さん

    まあ何にせよ行くことができ、無事に帰って来られたので、苦しかったアタックもいい思い出ですね。

    明るめ暗いめ、いろんな表現に対してRAWならある程度融通が利きますね。
    今回は、厳しい感じを出そうと、ちょっとアンダー目を意識しました。

  4. パンダ

    大野さん

    ゴルジュの中へと降りるのは、想定を越える厳しさでしたが、目的の滝を見ることができたのは、良かったです。
    それに対して下流域は、穏やかで美しい渓相でしたね。
    最近は、いろんな所へ行ってますが、やはり大峰は、独特の深さを感じます。

  5. ふぇるめーる

    パンダさん

    記事UP、お疲れ様です。ヌタハラの滝の底からの風景も拝見しました。
    鍋の底を予想していたのですが、段滝もあったのですね。
    明芽谷本当によかったです。
    また、パンダさんのランプ状の絶妙なルート発見で大変いい経験ができました。
    写真は5枚目の小滝の淀みや斜瀑も綺麗です。

    今秋は、私はもうちょっと回りたいですが無理せず大栃谷などで
    へッ電洞窟探検がしたいと思っております。
    洞窟内は結構寒いかもしれません^^)>
    タイミングが合えば宜しくお願いいたします。

  6. パンダ

    ふぇるめーるさん

    明芽谷は、美しくも厳しく、心に残る沢になりました。
    ヌタハラもまた違う意味で凄いところです。

    大栃谷の洞窟、都合が合えばよろしくお願いします。
    ただ、結構濡れそうなこともあり、一概には言えませんが、夏場の方が向いているのかなとも思ったりしています。
    秋のチャンスは、後ほんの少し、どこへ行くか悩みっぱなしです。

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