2015年3月14日
八ヶ岳
行くべきか行かざるべきか・・・
天気がよろしくないが、予報では午後から回復することになっている。天気が変わっていく時の何かを期待し、赤岳山頂13時頃登頂を目指しスタート。
徐々に天気が良くなってくるかと思っていたが、行者小屋が近付いてくると雪が降ってきて、トホホ。
晴れていれば、行者小屋から見える背後に聳える山々は、当然ながら何も見えない。
地蔵尾根を行く。とても静かで、休日の南八ツとは思えない。
びっしりと白くなった眺めが荘厳で素晴らしい。天気が悪いが、見たかった眺めを一人楽しむ。
誰もいないと思っていたら、早くも上からまとまった人数のパーティが降りてきて、無彩色の世界が、ちょっと華やぐ。
ふり返ると単独者が登ってくる。
ナイフリッジを通過。
お地蔵さん、ちょっと怖いお顔に化粧中。
ここまで上がってくると風が吹き付けてくるし、後続者も辛そう。う〜ん、他人事ではない。
久しぶりに見る風力発電を覆う尻尾。
積雪量もかなりのもの。
赤岳山頂にかけては、さらにガスガス。前に出ていった単独者が上部にいるが、小さな写真では見えないかも。
アップでとらえると、ガス、雪、風の中を一歩一歩と前進中。
状況は、ますます酷くなり、進むべき方向を慎重に見極める。厳冬期なんて言葉に拘る人がいるが、今日は厳冬期以上に厳冬っぽく、その洗礼をどっぷりと受ける。
予定の時刻の少し前に登頂。しかしながら、天気が回復する兆しは全くない。
山頂でパンを食ったりして、ほんの少しゆっくりしてから下山開始。雪を被って梯子が消えた急斜面を降りていく。
山頂までに文三郎から登ってきたと思われる何人かの人とすれ違ったが、風雪がトレースを完全に消してしまっていて、何時になくデンジャー。
立ちこめるガスと猛烈な勢いで下から吹き上がってくる雪に視界を遮られ、足下が良く見えない。際どくなった斜面をバックモーションを交えて降りていくが、幸いにしてピッケルとアイゼンが決まりすぎるほどに決まる。突き刺したピックが簡単には抜けず、安心感が高い。
中岳分岐付近まで降りてくると、急に風が無くなり穏やかに。写真を撮っていると、後ろに見えていた単独者も降りてきた。「大変でしたね。」と声をかけると、「遭難するかと思った」と・・・
やれやれと歩き出すと、急に明るくなってきて雪面が輝き出す。さっき言葉を交わした単独者は、ドカッと腰を下ろして休憩中。
阿弥陀も姿を現し、ガスが徐々に晴れていく。
一進一退を繰り返す天候に翻弄されるように楽しむようにゆっくりと歩いて行者小屋へ。
悪天時に山に入るかの判断は難しく、精神的に前向きになるのも難しい。しかしながら、ドピーカンでは見ることができないものがあるのも事実。
今シーズン、最初で最後になった南八ツ。結果的に期待したような何かは起こらなかったが、白き山肌に走る光が、とてもとても美しかった。それは、風雪を抜けた後のご褒美だったのかもしれない・・・
撮影機材
OLYMPUS OM-D E-M5 Mark II
M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 II
氷の世界
危険過ぎですが、貴殿にとっては誘惑なのかも知れませんね。
下山時の晴れ間をどう感じられたのか?
複雑な心境でもあられたような気がします。
すぎちゃんさん
もちろん、十分な安全を考えて入山したわけですが、下山時の視界不良は、ちょっと想定を越えていました。
それでも変わっていく山の表情を見ることができ、印象的な山行になったのが良かったです。
何を狙っていたかは何となく想像がつきますが、37でも私は満足してしまいそうです。21の絵も別の意味で好みですが。
冬季南八ツを敢えて悪天下で遂行できる実力を私もつけたいと考えていますが、さすがにそこまで踏みこめません。そういった意味においても、パンダさんのこの単独行には拍手を送りたいと思います。そう言えば、昨シーズン、ぜいぜいさんの旦那さんが、やはり視界ゼロで遂行されていたのを思い出します。
「達成感」と言う名の自己満足を求めて、厳しい山行を達成する—多くのアルピニストが危険と向かいながら挑むキモチが、少しずつわかってきました。
またそれとは全く別の話になりますが、カメラがなくても山行はできるという当たり前のことを忘れかけていたように思います。というのも、この5/6に柏原谷を遡行したのですが、カメラを忘れてきました。以前の私ならやんぴしたかもですが、たとえブログにUPしなくても、立派な山行として心に刻まれることがわかりました。
なんちゃって写真屋を自称している私ですが、将来的にはカメラもwebサイトとも離れた山行を、楽しんでいるかもしれません。
※写真は現在の目的意識ですが、拙ブログはそうではありません。
※蛇足ですが、柏原谷は滝屋さんが行かれても、満足度は非常に低いと思います。
臆崖道さん
おくがけどさんなら悪天でも十分にこなせるかと思いますが、そこまでする意味があるかは疑問ですね。
アルパインな方達の記述を読んでいる限りは、自然を愛する気持ちが薄く、山を自己をぶつける相手としての考えを強く感じます。
もちろん、このような考えもよく分かりますし尊重しますが、世界が違うなあと思ってしまいます。
カメラですが、防水コンパクトカメラの導入をお勧めします。
コンパクトカメラを馬鹿にしてはいけません。撮ることができる世界が広がりカメラ無しの山行に少し近付きますし、構えてとらない写真に自分達にしか分からない珠玉のショットがあったりするものです。
今日は、これから使うであろう防水コンパクトのテストをしてみました。
デザインが飛んでいてブランド名も変わってしまったペンタのカメラですが、とても優秀な結果でした。
カメラは、家に置いてきてしまったんですね。
何時ぞやは、現場で置き忘れてしまったことがあったような。
どうぞご注意を・・・