2015年5月3日
蓮川 布引谷
新緑の候・・・
GW五日目、さすがにしんどいが、明日からは天気が崩れる予報。最後の一日になりそうで、頑張って沢に向かう。車が複数台あるので、もちろん平瀬橋にデポ作戦。
巡視路を歩いて行くと、見下ろす沢が荒れている。滝の表情もちょっと冴えない。
と思っていたら巨大な建造物が。
その上には、林道らしきものまで敷設されいて、ありゃりゃ。
小さな堰堤を越えて暗いゴルジュに入ると、綺麗な姿を見ることができ一安心。
次の滝も水量が少ない。しかしながら、静かな流れは壺の透明感を際立たせ、とても美しい。
2008年、この谷を初めて遡行した時から右岸壁にある倒木が、今でも健在。これを利用して滝上へ。
二つの滝を過ぎると、布引谷は明るく開けて、緩やかに高度を増していく。
あまり良い天気ではないが、水線近くまで新緑が彩り、とても綺麗。
そして、谷が狭まり右岸から支流が合わさる美しいところ。
しっとりと初々しい緑の中を流れる白き水。浸みだした水が、あちらこちらから集まり、次第に大きくなって流れ下って行く。そんな旅の途中の一シーン。
この日、どこに行くかの候補は色々とあったが、初見の沢をルーファイしながら遡行する気力を完全に失っていた。そんな訳で布引谷を提案すると、はんぺんさんが布引滝に行ったことがあるだけで、他のメンバーは行ったことがなく、即決定。そんな感じで私にとっては、ちょっと消極的な感じもあったが、実際に来てみると、とても良い選択だったように思う。
岩溝の中を落ちるこの滝も、今日はどこか優しげ。
壺に刺さった棒が残念だが、人知れず落ちるこの滝は、1967年の記録にも「釜見事」と記述されている通り、昔からこの美しい姿を保っているのだろう。
複雑な流れから美しき壺に注ぐ様は、周りの美しさとも相まって、ある意味、布引谷の白眉かもしれない。
右岸から簡単に巻き上がる。
あれ〜っと記憶に無い滝。なかなか良い感じ。
そして、緑のヴェールの向こうに布引滝(布引三段滝などという滝名ではない)が見えてくる。滝との出会いは色々あれど、下から遡行しての出会いは、その感動も一入。
これまでで最もショボイかもしれないが、これまでで最も美しい布引。
前衛滝の左岸越えは、念のためロープを張った。
雨がぱらつくようになり、上が霞んできたのもあって左岸上のテラスへと直行。
コザクラを愛でたり、滝水を浴びたりして思い思いに過ごす。
滝を後に右岸に通る道を目指して登り出すと、雨粒で化粧したヤマシャクが見送ってくれた。
平瀬橋を渡って終了。
豊かな雨がもたらしたであろう鋭く切れ込む谷。そんな沢が多いこの地において、布引谷は比較的穏やかに突き上がっていく。それでも要所要所に特徴的で見事な滝がかかり、遡行する者を飽きさせない。
初々しい緑が覆い尽くすこの時期、布引は疲れを忘れてしまうほどに美しかった・・・
江戸切子さん、臆崖道さんと山ノ神さん、はんぺんさん、ひこさん、ゆかさん、どうもありがとうございました。
撮影機材
OLYMPUS OM-D E-M5 Mark II
M.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4.0-5.6
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO
M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0-5.6 R
Panasonic Lumix DMC-FT4