2015年10月31日
白川又川 火吹谷
人知れぬ営み…
2014年5月、火吹谷を訪ねた時は新緑の大滝を堪能したが、ここは秋もさぞかし素晴らしいのではと思った。やや西に振れているかもしれないが、南向きに大きく開けた地形、大岩壁を彩る豊かな植生、紅葉的な条件を考えると申し分ない。
今秋は行きたいと、春先からはんぺんさん、ひこさんと狙っていたわけだが、おくがけどさん夫妻にも声をかけ5人で突撃することに。ただ、条件的には、あまり良くなく、雨不足で水量は絶望的、天候的にも微妙な状態。
しかしながら、短い紅葉のピークは年に一回のチャンスで他の日は考えられない。まあ行ってみなければ何も分からないと、水量不足は覚悟の上での決行。
トンネル東口をスタートして林道から尾根を上がっていくと、もう秋も終わってしまったかのような寂しさが漂う。
それでも、稜線を乗越して南面に出ると綺麗な秋色も見られるようになってきて、度々足が止まる。
謎の林道を二つ跨ぐと、尾根が枝分かれするちょっと複雑な地形。良く確認せずに適当に降ると、滝上方向の尾根に乗ってしまうが、修正して別の尾根から目的のガレルンゼへと降りる。
このルンゼを降ってから大滝との間にある小尾根を乗越すつもりだったが、よく見るとルンゼをほんの少し降ったところから棚が小尾根へと繋がっている。偵察に行くと、これがバッチリ、前回に登り返したルートよりもさらに最短ルートで滝前へと達した。
水量は思った通り少ない。バックの空も雲の支配が強い。紅葉はどうか、期待したよりは鮮やかさに欠けるような気がする。
ところがところが、ひとしきり撮影も終わった頃、青空が覗きだし様子が一変。何と虹まで架けて滝が輝き出す。
水量少なく、さらさらと流れ落ちる滝水も秋らしくて良いと思えてくるから不思議。予定の滞在時間を過ぎても誰も動こうとしない。鮮やかさを増した秋が大きく広がり、それを目一杯楽しんだ。
帰りも当然のように紅葉を追いかけてしまう。辺り一面が鮮やかというわけにはいかないが、しんどい登り返しを光を受けた秋色が癒してくれた。
水量少なく、とてもベストとは言えない火吹谷大滝。また紅葉的にも、もっと鮮やかに彩られる年があるだろう。
しかしながら、人知れず繰り返されてきたであろう大滝の秋に触れることができ、とても良い滝行になったと思う。その染み入るような静かな秋を忘れることは無いだろう…
臆崖道さん、山ノ神さん、はんぺんさん、ひこさん、どうもありがとうございました。
撮影機材
OLYMPUS OM-D E-M5 Mark II
M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 II
M.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4.0-5.6
M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0-5.6 R
ありがとうございました!
あそこまで綺麗な青空が出てくれるなんて、驚きでしたね。まさに、全カット撮り直し(笑)
今度は水量狙って再訪したいと思います!
念願の火吹谷大滝を観て撮ることができてよかったです。上山、下降、そして闇下山と、全行程お世話になりました。
虹は水量が少なかったので掛かったのかも。豪瀑と化していたら、とても近傍撮影はできなかったと思います。
さてさて、はんぺんさんのご進言通り、(めずらしく素直に)ティカ+を揃って購入しましたw
はんぺんさん
青空は半ば諦めてたんで、嬉しい誤算でしたね。
水量少なくとも、良い感じになってくれました。
今度は、あの空間に飛沫舞い散る時を狙いましょう。
おくがけどさん
ヘッドライト、ついに観念して新兵器導入ですか!
晴れると闇下山必至と思ってましたが、ああなると滝前を離れられなくなりますね。
滝に虹が架かったのは、水量のせいで近づけたのもあると思いますが、秋ならではの低いお日様も大きな要因かもしれません。
綺麗な虹で知られている滝でも、早朝や夕暮れ時しか虹を見ることができない滝というのも珍しくないようです。
確かに確かに(←パンダ口調)w
仰る通り俯角が大きすぎると、滝正面には散乱光が生じにくいので、虹が見えないかもですね。
多くの滝のように、左右も閉鎖された空間というのは方位角も影響しそうなので、太陽光の角度と虹の位置は密接な関係にあると思います。
さすが、滝の巨匠ですな。私なんか指摘されてから納得した次第です。