2016年7月10日
南アルプス 富士川 楮根川支流
知られざる大瀑III…
篠井山の北東面に巨大な滝があるらしかったが、その僅かながらにあるネット情報をどうやって見つけたのかは思い出せない。そこには、遠望写真と共に「楮根の大滝」とか「一の滝」という滝名が記されている。
航空写真を見てみると、薄く不鮮明ながらも滝を確認することができ、その存在は間違いなさそう。しかしながら、滝仲間の間で話題になることもなく、これ程までにと思える滝が何故に放置されているのか、いろんな意味で謎を秘めている。
待ち合わせ場所の「道の駅とみざわ」へと、富士川左岸の県道を南下。滝が見えないかと対岸の山肌をチラチラ見ていて、思わず一人で唸り声を上げる。遠望で霞んだ写真しか撮ることができなかったが、肉眼では、その白き落水がはっきりと見え、まさに巨瀑といえるレベル。
林道奥まで車を走らせ、ワクワク感を高まらせ未知の沢へと突入。同行者は、あっきーさんとmatsuさん。
最初はショボイ感じだったが、しだいにそれっぽくなってくる。
次々と現れる滝を見て感じて越えて、大いに楽しむ。
そして、一際立派な滝が登場。
陽射しを浴びて輝く滝に見惚れる。張り出した両岸を見て、どう先へ進むか思案。
イワタバコ美しい夏の沢。
右岸のルンゼを登り、壁を越えることが出来そうなところからトラバース。そして、小尾根を少し降ると、前方高みから白き落水。
木々に遮られて全貌が見渡せる訳ではないが、それでも貫禄十分。登場した巨瀑に三人で大歓声。
ある情報によると、この滝は一の棚(滝)から六の棚まで六つの棚で構成され、地元では、その総称として一の滝と呼んでいるらしい。肉眼では写真に写っていない上部にも滝の流れが確認でき、さっき巻いてきた滝も一つの棚とすると、その通りになるが、それで合っているのだろうか。
落差は優に100m以上あるように感じる。
少し離れた所からでも遠望で見えた上部の長瀑が縮こまってしまっていたが、滝に近付くと、さらに見えなくなってしまう。滝下からの眺めだけでは、その滝の全貌が分からないという典型。
左岸から一段巻き登ってみると、またまた驚きの光景が広がる。この部分だけでも相当にでかい。
美しい水のカーテンは、左右で微妙に落下位置を変え、それが岩の上で再び交わるように、これまた美しき軌跡を描く。そして、まさに棚と呼びたくなるような台地に水を湛える。
さらに上へと巻き登って行くと面白いだろうが、もう十分に満足。
帰りは、下の巻いてきた滝を懸垂で降り(30mロープ二本繋いで足りるかと思ったが足りないので、ルンゼの途中へと下降)、少し沢を降ったところから左岸上に見える植林帯へと這い上がった。そこには思った通りに踏み跡(道)があり、その道は、もし道が無い時は、ここを降ろうと想定したラインとほぼ同じところに延びていて、駐車地前へとドンピシャリで降り立った。
全てが未知であった一の滝、その素晴らしき姿の前に立つことができ、とても感慨深い。さらに上に続く棚毎の上に立てば、これまた素晴らしい世界が待っているのだろう。どこまでも興味は尽きない…
あっきーさん、matsuさん、どうもありがとうございました。
撮影機材
OLYMPUS OM-D E-M5 Mark II
M.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4.0-5.6
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO
M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0-5.6 R
RICOH WG-5 GPS