2009年7月18-19日
三重県 松阪市 宮の谷 台高山脈
PENTAX K-7 smc PENTAX DA18-55mmF3.5-5.6AL WR
水ちょうだい…
宮の谷入り口に着くと、岐阜県ナンバーの車が一台とまっている。用意していると、三人の方がもう下山してきたみたい。聞くと、あまりにヒルが多いので、大騒ぎで川原に避難して大掃除、「こんなとこはとても歩けない」と慌てて戻ってきたらしい。
遊歩道に入ると、雨上がりの道にはヒルがうようよ立っている。この程度のヒルは、この辺りでは普通だが、今日はトレシューにズボンだけでスパッツもないので、上ってくるヒルを掃除しながら歩いて行く。
暑い季節だが、良く整備された道は快適で渓谷沿いはまだ涼しい。今回は、何故か単独で沢を登るのに不安を感じ、登山道で滝を見れる宮の谷にやってきた。高滝の上にある猫滝やドッサリ滝も楽しみだ。
桟橋に導かれて美しい谷を渡り、岳魂碑のある風折谷との出合に到着。ここから先は滑落事故の絶えないルート、亡くなられた方を偲んでの遭難碑らしい。
右へ進むと、しばらくで高滝、緑に包まれた大岩壁の奥に落ちるその姿は、やはり名瀑だ。
PENTAX K-7 smc PENTAX DA18-55mmF3.5-5.6AL WR
PENTAX K-7 smc PENTAX DA50-200mmF4-5.6ED
PENTAX K-7 smc PENTAX DA18-55mmF3.5-5.6AL WR
左岸を大きく巻いていくが、もはや登山道とは言えない高度感のあるバリルートが続いている。登りはともかく、降るのはちょっと勘弁して欲しい感じだ。
PENTAX K-7 smc PENTAX DA18-55mmF3.5-5.6AL WR
そのままでは、猫滝も巻いてしまいそうになるので、滝壺前へ降りていく。
PENTAX K-7 smc PENTAX DA18-55mmF3.5-5.6AL WR
PENTAX K-7 smc PENTAX DA18-55mmF3.5-5.6AL WR
猫滝前に立つと涼風が吹き抜け、巻きで火照った体を冷やしてくれる。ここまで来れば、台高奥地の秘境の趣満点、猫滝の描く放物線は誠に美しく、その丸くて深い壺も印象的だ。
猫滝を巻き終えると、谷は穏やかな表情、ドッサリ滝は、気付かずに見逃しやすいらしいので、気を付けて歩いて行くと、滝らしい流れが見えてきたので、巻き上っていくルートを捨てて谷を進むとドッサリ滝の前に出た。
PENTAX K-7 smc PENTAX DA18-55mmF3.5-5.6AL WR
あまりドッサリとしていないが、その姿は、なかなか美しく、辺りは、明るく開けた爽やかな雰囲気が漂う。
PENTAX K-7 smc PENTAX DA18-55mmF3.5-5.6AL WR
さてさて、ここからどうしたものか。三つの滝を巡ってかなり満足し、戻ろうかとも思ったが、せっかくなので池木屋山まで登ることにした。そしてテントと食料も担いできたので、極上のテン場があるという奥の平谷源流まで行こう。
ドッサリ滝左岸の急斜面を登り、下流からの巻きルートを拾って滝上へ、そして右岸にちょっとした台地を見ると、そこが奥の二股だった。左俣沿いに少し行って、ここから木の根の張り巡った尾根を標高差580mの激登りの開始。
沢沿いを離れて尾根を登り出すと、すぐに灼熱地獄が待っていた。まるでサウナの中を歩いているようで体力の消耗が激しい。尾根の先に空しか見えなくなると、これで終わりかと期待するが、そんな訳はなく、さらにさらに続いている。しまった、沢歩きが染みついている私は、二股で水を1リッターしか持たなかったが、これが大失敗。暑さと急な登りで喉がカラカラ、水をチビチビ飲みながら進むが、辛い山歩きになってしまった。ヘロヘロになって池木屋山山頂に到着、ご褒美に少ない水をちょっと多めにグイッと飲んで休憩。
さあ、ここからがまだまだ長い。霧降山、奥の平峰、千里峰、赤倉山とピークの続く縦走路は、登って降って、登って降ってと繰り返し、暑さでふらふらだ。
残り少ない水をさらにチビチビと飲みながら、源頭の水が涸れていたらどうしようかという思いが頭をよぎる。しかし、「着いたら腹一杯水飲んだる」と、途中からそればかり浮かんでくるので、遅い足取りながらも体は前へ進んでいく。
日が傾いて、割れた老木の隙間を赤く染める頃、ようやくそれらしき場所に到着。極上のテン場のはずが、その広い草地は結構な斜面で唖然。
しかたがないので、流れの横の小場所で寝ることにした。ガブガブと水を飲むが、腹一杯は飲めない。何故か熱いカフェオレが飲みたくなったので、湯を沸かして飲むとようやく落ち着いた。
テントを張って飯を食い、半袖シャツとパンツだけでマットに寝転がると、テントの中を抜けていく風が心地よい。それでも火照りすぎた体のためか、なかなか眠れない夜になった。
今では、山で眠るそのこと自体が楽しみだ。体で感じる大自然との一体感、何事にも邪魔されない開放感、迎える朝の素晴らしさ、自由を極めた旅がそこにあるように思う。本当は、何もなしでゴロンと寝るのがより良いかもしれないが、幕という薄っぺらな壁がなんとも微妙で素晴らしく、自分自身はまってしまいそうな道具だ。特に海外品には、国産品にはない創意工夫をこらした幕がいっぱいあって、いろんな幕で寝てみたくなる。
そんなことを考えていると何時しか眠りにつき、清々しい朝を迎えた。下山は、霧降山まで縦走路を戻り、ここから北東へ延びる尾根を辿る。
地図にも全く載ってないルートだが、道として明瞭に続いていて、テープもバッチリと付いている。大きな倒木の横たわるニハンノ平(青空平?)では、盛りを過ぎてはいたが、ジキタリスが咲いていた。
最後は、鹿避けのネットを抜けて伐採地を降って宮の谷入り口に降りた。テン場で3.5リッター汲んだ水は、その殆どを飲み干していた。
この尾根の途中から見えるという奥の平谷のサスケ滝を見るのを忘れていた。厳しい谷らしい奥の平谷、何時の日かこの谷にも足を踏み入れてみたい。千石谷、赤ぐら滝谷、奇形五所ヶ滝の懸かる江馬小屋谷等々、まだ見ぬ谷に思いをはせて帰路についた。
ayaGと申します。はじめまして。
使い易そうなテントですね。
開口部の位置が良く大きく開くので出入りが楽で
温度調節もし易そうですね。
外国製ですかー、カーブもシンメトリーでなく
合理的ですね!
ayaGさん、こんばんは。はじめまして。
テントは、Black Diamondのソロテントです。
高さが少し足りませんが、国産にはない解放感があり、軽量です。
ayaGさんは、よい環境にお住まいのようでうらやましいです。
学生時代には、バイクで野宿しながら旅した思い出があります。
まだまま未舗装路が多い時代で、オンロードバイクでずっこけながら走りました。もちろんテントなんて持ってなくて、適当なとことでごろ寝でした。
旭岳や黒岳にも登りました。人のいない静かなオンネトー、開陽台の地平線等々、今でも鮮明に浮かんできます。
K-7も検討されているのですか。簡易防滴のキットレンズとの組み合わは、フィールドでは安心感がありますね。
ayaGです。
テントについてご紹介ありがとうございます。
私は、ザックや靴などの収容、テント内でのアマチュア無線運用
も考えて二人用にしましたが、荷物が重くなるとつい億劫になり
出番が少なくなります。
良き時代の北海道を旅行された思い出、振り返ると懐かしく
楽しいものですね。
私も若い時からバイクでツーリングが趣味でした。
カメラはその時のオリンパスぺんFから始まりました。
山歩きをするようになって雨天でもつかえるカメラの発売を
待っておりました。
今K-7レンズキットを狙っております。
気力体力で乗り切る時期は既に過ぎ去り、上質な道具の助けを
必要とする年代となりました。
パンダさんが選んで使う道具類についても、このブログで
ご披露いただければ非常にありがたいのですが・・・。
ayaGさん
K-7とDA18-55mmF3.5-5.6AL WRの組み合わせは、雨でなくても滝飛沫を浴びながら撮影することも多いので、その点では安心感があります。描写的にも高級レンズに大きくは劣りません。ただ、広角域で色収差が目立つのが弱点でしょうか。
簡易防水になる前のDA18-55mmF3.5-5.6AL IIを使っていましたが、広角域の色収差に不満がありました。もしや、外れレンズかもと思っていたこともあり、K-7はレンズキットを購入したのですが、WRも全く同じ描写です。やはりこのレンズはこのような写りみたいなので、この点を踏まえて使用する必要はありそうです。
軽量装備と安全装備、移動中の快適性とテン場での快適性等は、相反する部分が多く難しい問題ですね。
私は、若い頃から瞬発力はあっても持久力がなく、淡々と長距離を歩くのが苦手です。年とともに全てが衰え、ayaGさんの「気力体力で乗り切る時期は既に過ぎ去り」という言葉に感慨深くうなずきました。
良さそうな道具を見つけると、試してみたくなりますし、テントもすでに増殖中です。道具類については、いろいろと工夫している部分もあり、紹介できればと思っています。
ayaGです。
早速のコメント、ありがとうございます。
写真は撮っていても、深く勉強したこともないので
写りについての不満がどこにあるのか分析したことも
ありません。
唯一、逆光で撮影して昔のレンズと今のレンズでは
太陽直接光のレンズ内反射によるゴースト?フレア?の出方が
違うのをつい最近実感しました。
また、Nikon VR18-200の画像がどうもスカッとしないのは
高倍率のズームレンズの持つ歪による像の歪みではないかと
単焦点レンズの像と比べて感じる程度です。
DA18-55の色収差についても、はたして自分は気が付くかどうか分かりません。
ですが、不安なくカメラを持ち出せることの方が自分にとっては
大きいのではないかと考えております。
装備、道具等についての考え方や撮影の工夫撮影行などを
ご紹介いただけるということで楽しみにしております。
パンダさんのHPやBlogの装丁から、無理なお願いだったのではと
思っておりました。
雰囲気を壊さない方法でご紹介いただければと、願っております。
ayaGさん、こんばんは。
そうですね。雨の撮影でのカメラ対策については、いろいろ試しましたが、どれも一長一短で決定的なものはないように感じます。そういう意味では、撮影時の負担を減らせるカメラは、ありがたいですね。滝の撮影では、レンズを上に振ることも多いので、前玉に飛沫が降り注ぐという別の問題があるのですが・・・
道具についての紹介は、根が無精なのでなかなか進まないかもしれませんが、時々覗いていただければ幸いです。