2017年8月12日
大峰 前鬼川 沢登り
碧…
前鬼川にかかる不動七重の滝は、深く彫り込まれた本流ゴルジュとも呼びたくなる壮絶な地形の中を、端正かつ迫力の流れが美しい滝壺を介して幾重にも連なる。
林道からの遠望でも、素晴らしい滝姿を見ることができ、それは奇跡の滝といっても過言ではない程に素晴らしいと感じる。しかしながら、林道から見えているのは下から数えて5番目の滝(F5)までで、その上にはさらに滝(F6、F7)が連なっている。
さてさて、そんなまだ見ぬ不動七重の滝F6~F7を訪ねるのが今回の目的。先ずは前鬼川を下降してF7の落口を目指す。
林道から前鬼川に降りて、最初の滝の落ち込み。飛び込みもありかもしれないが、おっかないのでロープを使って慎重に下降。
いやもう水がメチャメチャ綺麗。決してブルーではないが、浸み入るような碧(みどりともあおとも読めるらしい)。道路から降りてきて直ぐのところだとは、とても思えないような異空間。
右岸寄りの岩盤上を滑る水が深き淵へと一気に噴射されている。ゆかちゃんが先陣を切って噴射に乗り、碧の世界に旅立ってゆく。
あっという間に流されて小さくなるが、最高と言わんばかりに腕を突き上げてVサイン。
続いて流されてゆくが、冷たいぞ〜
さらに上流のブルーな水の辺りに較べると水温が緩んでいるはずだが、やはり前鬼の水は冷たい。しかしながら、その冷たさ故の美しさなのかもしれない。目前で揺らぐ碧は想像を超える程に神秘的。泳ぎながら感じるのは、上から見るのとは違う深き色合い。
泳ぐのが苦手らしいおでんさんも、新調したライフジャケットを付けて頑張っている。ちょいとあらぬ方向に行ってしまってるかも。
歩けるところもあるが、どんどん泳いで流されて行くのが基本。
そして、小滝に集まった水が解き放たれて、その先に夢のような淵が広がる。
ぷかぷか。
不動七重の滝の落口が近付いてきたのか、行く先には大きく開けた空間。
そして、どでかい美しき釜。またまた、ぷかぷか。たまりません。
この大きな釜を泳ぎ渡ると、そこは不動七重の滝F7の落口だった。
清冽なる水が、大釜からナメを越えて前鬼川のクライマックスを落ちてゆく。
F7は簡単に下降できそうだが、その先の狭い通路に息を呑む。余りに素晴らしい造形と、そこに漂う危険な香り。
見えているF6の大釜の前に降り立ちたいところ。左岸から巻き降ることができるルートを探す。入ってくる支流のところから巻いて行くと、支流にも滝がかかっていた。
高度を上げながらトラバースして行くが、巻いて降れるようなルートは見つからない。ただ、かつて杣道として使われていたような痕跡があり、こんなところにまでと驚く。その杣道跡らしきルートは露出した岩盤で遮られてしまうが、そこも際どく越えてさらに下流側まで探索。結局のところ、高い絶壁が続く左岸壁に簡単に巻き降るルートを見出すことができず、今回はF6の前に下降することは断念。
下の写真のところから懸垂すれば、F6の下まで達することができそうだったが、スラブ壁っぽいのが露出していて、途中でロープを掛け替えることができる支点が無い可能性が高く、持ってきたロープ長では、とても足りなさそう。いくつかの不動七重の滝登攀の記録では、F6~F7の登攀は厳しいとあり、登ることを諦めて巻いていたことから、その巻きルートを見つけるつもりだったが、それは巻きといっても、かなり難しい類のものなのかもしれない。おそらく、F7の落口から少し高度を上げたところから確認した、かなり厳しそうなルートしか無いような気がする。
F7落口へと戻ってきた。もう慌てることもないので、素晴らしき空間をゆっくりと楽しむ。この日もまた、はんぺんさんがドローンを飛ばして撮影。動画の最後で、F7落口に立っているのが分かるだろうか。
帰りもワーワーと泳いで前鬼川を堪能。
F6の下へと下降する目的を達することはできなかったが、まだ見なかった前鬼川は新たなる発見に満ちていた。それは、秘められた美しさが体に浸みた、素敵過ぎる夏の一日…
おでんさん、はんぺんさん、ゆかさん、どうもありがとうございました。
LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm / F2.8-4.0 ASPH.
LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm / F2.8-4.0 ASPH. / POWER O.I.S.
この日も本当にエキサイティングでした!流されるという経験も無かったので、かなりドキドキしたのを覚えています。
下に行けなかったのは残念でしたが、美しい水は本当に感動モノです。
おでんさん
盛夏ならではの遊びを体験してもらえたでしょうか。
単に、ある滝に行くことだけではなく、行程を含めて楽しむのがお得ではないかと思ってます。
それが、こんな綺麗なところなら、なお良いですね。
またよろしくお願いします。