2017年11月19日
奥高野 十津川 川原樋川 大江谷

静かな華…
紀伊山地で滝紅葉を楽しむのは難しく、北関東から東北辺りの彩りを観ると本当に羨ましい。
何故そうなのかを考えてみると、植生的に植林の影響が否めないところだが、滝近くは殆どが自然林であるにも関わらず常緑樹の占める割合が多い。また、開けたろことではなく深く切れ込む地形にかかる滝が多く、光が十分に届かない。夏場に訪れて、滝前に見事なカエデ系の木があるからといって、秋に綺麗に色付くとは限らないし、どちらかと言えば、そうならないと感じる。
そんなことで、少しは紅葉が期待できる谷として思いついたのが大江谷。大江谷は最下部の大滝が知られていると思うが、さらに上流に二本の50m級大滝があることは、あまり知られていないだろう。もちろん、紅葉に関する情報は見当たらない。

下の大滝をどっちから巻こうかと悩んだが、巡視路があったらしい左岸を見に行ってみる。なるほど、滝頭へのトラバース路が大きく山抜していて路と呼べるようなものは消失している。ガレとザレの混った斜面になっているが、それなりに安定してそうだったので慎重に通過。


次の大滝は近かったと思う。谷を覆うような紅葉が良い雰囲気。


堂々とした姿を滝前から見あげる。散りばめられた色が美しく、青空も覗いてきて明るくなってくる。


そして、長くは続かないが、光と影が静かな谷間に華やぎを描く。


この滝の巻きは左岸から。ルートさえ間違えなければ、難所と言えるようなところは全く無い。


三つ目の大滝。

秘められた雰囲気の中、左岸に張り出した岩と大きく段を打った姿で魅せてくれる。

そしてまた、光が降り注いできて華やぎが広がってゆく。


帰りは、滝を巻いて上に出るよりも戻った方が簡単と判断して、来たルートを引き返した。
大江谷の滝紅葉は、その期待値を満足させる素晴らしいものだったが、そんな紅葉を抜きにしても、この谷にかかる大滝は一見の価値ある見事なものだったと思う…
LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm / F2.8-4.0 ASPH.
LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm / F2.8-4.0 ASPH. / POWER O.I.S.