2017年2月25-26日
大峰 明星ヶ岳 八経ヶ岳 弥山
二人の願い…
22日の夜から23日お昼頃にかけて荒れ模様となるが、同時に気温が上がり降るのは雨、そして24日は冬型になり25日には緩む。この年の大峰は、かなりの雪に恵まれ、それに怖じ気付いていた私は、この予報を見て救われた気がした。そして気がつけば、25日の朝は熊渡にいた。
辿るルートは、何時もの道。静かな冷たい空間に、決して激しくはないが強き想いが同化してゆく。
稜線に出ると、生きている不思議を包み込むように、白きベールが流れてはまたやって来る。遙かなる道程に絡み合う二人の想い。
高崎横手を過ぎる頃には次第に碧の支配が強くなり、ベールに包まれていた白が一斉に開花。しかしながら、陽光に照らされて早くも新たなる旅へと飛び立ちはじめる。
そして、何時ものあの木のところに到着。想いを馳せたシーンが蘇る。
とても現実とは思えないような美しき白と碧。その儚き生は、哀しみに満たされた想いさえ癒してくれる。
まだ飛び立たないのか。待っていてくれたのか。
二人してはしゃいだことが蘇るが、今日は静かに静かに受け止める。
それにしても歩みが快調。きっと、前を行く嫁さんが踏み固めてくれているに違いない。
明星ヶ岳
大峰の最高峰へと続くルート。汚れなき分厚い白と深く澄んだ碧、ここに来ることができたことに感謝。
ありがとう、本当に本当にありがとう。
そして、着いたよと声をかけてザックを降ろす。
約束の地
二人の想いが通じたのだろうか、これ以上ないように穏やか。色々なことを話し、ゆっくりと過ごす。
そして、二人が愛した尾根を一歩一歩進む。揺さぶられる魂、熱くなる目頭、何度も何度も立ち止まり、全てを抱きしめる。
八経ヶ岳
国見八方睨
夕暮れ時、何時までも続いて欲しいと願う時も確実な刻みで過ぎ去ってゆく。
大自然が描く芸術。二度と同じものを見ることができないだろう尊いシーン。静かに静かに祈る。
翌朝はガス。これもまた大峰らしい。
狼平
弥山川
もうひとつの約束の地。かつて交わした約束は、その時には冗談だったかもしれないが、今それを思い起こす。
そして、想い願った
M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 II