2009年9月19-21日
北アルプス
晴天のレジャーランド・・・
平湯温泉アカンダナ駐車場に着いたのは、もう上高地への始発バスが出る頃。慌てることもないかと1時間程仮眠して満員のバスに乗り、ひんやりとした空気の上高地に到着。
ターミナルに溢れる人々から離れ河童橋へ、まだ早朝のためか、観光客も少なく静かな雰囲気。冬に釜トンネルをヘッドライトを点けて歩き、雪をかき分けてたどり着いた時は、ゴールだった橋。今日は、ここからがスタートだ。
太陽がしだいに高くなり、素晴らしい秋空の下、明神から徳沢へと我が家のペースで進んでいく。徳沢のキャンプ場もまだテントがまばら、木陰に陣取って朝食タイム、持ってきたリンゴを芯までたいらげた。
徳沢
10年前の秋、紅葉に憧れ、CONTAX 645一式他の重荷を担ぎ、やっとの思いで行ったものの、あまりの人の多さと喧騒に二度と行かんと誓った涸沢、何故かまたそこを目指している。
シルバーウィークは、アルプスへ行こうと嫁さんと意見が一致。どこへ行こうかと考えたが、これが難しい問題。やはり設備の整った涸沢なら嫁さんの初のアルプス山行には良いのではないか。ベースキャンプ式なら奥穂に登るのも楽だろう。そんなこんなで今上高地にいる。
横尾からは、見上げる前穂の山容に雲が流れ、なかなかの景観。屏風岩を巻いて本谷橋で大休止。ここからは、登山道らしくなり、谷沿いに傾斜を増した道が続いている。
本谷橋から見る屏風岩
多くの登山者達と休憩を交えながら、抜きつ抜かれつ涸沢を目指し登っていく。嫁さんも山歩きに慣れたのか気持ちがハイなのか、いつもよりずっと快調な歩みだ。
見えて来るがまだ遠い
天気はますます冴え渡り、暑いので半袖一丁になる。ヒュッテが見えてもう一がんばり、いや三がんばりほどで涸沢に到着。
MSR Hubba Hubba HP 今一番のお気に入り
テントを張ろうと岩だらけのテン場をうろうろするが、どこも一長一短であまり良いところがないので、少し離れた適当なところに落ち着く。左右に大きな前室のあるHubba Hubba HPにはちょっと狭いが、まあこんなもんだろう。
ヒュッテのテラスで寛ぐ人々に混じり、コーラとおでんで今日の無事を祝った。そして、テントに戻ってまったりタイム、網にパンとチーズをのせて焼くがチーズがうまく溶けてくれず、なかなか難しい。ソーセージもフライパンの方がうまく焼けるかもしれない。空が美しく染まり、涸沢とは思えない静かな時が過ぎていく。
暗くなると台風の影響からか、かなり強い風が吹き出したが、横になっているといつの間にか寝てしまっていた。夜中に目が覚めると、相変わらず強い風が吹き抜けバタバタとうるさく、全く眠れなくなってしまったので睡眠薬を飲んだが、これが大失敗だったかもしれない。
翌朝は、雲一つ無い快晴。カールを駆け下りてくるモルゲンロートは、涸沢ならではの素晴らしさ。さあ、奥穂が待っている。食事を済ませ、ザックに必要なものだけを詰め、雪渓を越えパノラマコースからのスタート。
チングルマ
ちょっと疲れました。
どこまでも青い空の下、ガレの中に続く道を登り、小さくなっていくテン場を見下ろしながらカールを横切っていく。そして急峻なザイテングラートの岩尾根、傾斜の強いルートだが、岩はしっかりしていて問題となるようなところは無い。登る人はもちろん、降ってくる人も多く、度々の交互通行。
穂高山荘前でくつろぐ登山者達は、皆良い顔をしていて楽しそう。ホットレモンを飲んで休憩し、山頂への最後の登りに取り付く。渋滞の梯子、鎖場を過ぎ、岩稜を登っていくと涸沢岳の向こうに槍が見えてきた。
涸沢のテン場があんなに下に
狭い穂高の山頂は、もちろん人でいっぱい。嫁さんは、立つのが怖いのか座ったままで記念撮影。 ジャンダルム 青空に祝福され、素晴らしい展望を満喫。二度と無いようにすら感じる素敵な素敵な瞬間に感謝。 ひょっとして高山病、まさかと思いながらも少し歩いただけで吐きそうになるので、度々座り込んでしまう。症状はますますひどくなり、休憩するとそのまま寝てしまいたくなる。もう高山病なのは間違いなく、この時点で明日の下山は無理なのを確信、後で聞くと嫁さんも同じ思いだったらしい。 その後も超スローペースで進み、やっとのやっとの思いでテントまで戻った。水を飲んでも吐きそうなので、嫁さんに「適当に飯食うといて」と言い残し、そのまま寝てしまった。 朝3時頃、人々が動き出す。 目が覚めて時計を見ると朝の3時、なんか腹が減って回復した様子。カフェオレを入れてパンを焼くと、今度はうまくチーズが溶けてうまい。あんこの入ったヨモギ餅は網にひっついて失敗。 一人でゴチャゴチャやっていると夜が明けてきて、今日も美しいモルゲンロートの始まり、空に雲が湧き出し昨日とはまた違う素晴らしさ。昨晩の冷え込みで紅葉も少し進んだように見える。 この美しい山のレジャーランドともお別れ。 ゆっくりと朝食を食べ直し撤収開始、もともと多めに持ってきた食材はガッツリと余ってしまった。上高地へ降り、徳沢で信州リンゴとソフトクリームで最後の小宴。 三日間ともありえないような好天に恵まれ、嫁さんの初アルプスは幕を閉じた。それにしても強くなったものだ。前から行きたいと言っていた「弥山川」、それも夢ではないかもと嫁さんに告げた。 All pictures were taken with a Panasonic Lumix DMC-FT1
今日はなんか頭がちょっと痛くてボーッとするなあと思っていたが、一週間程前から風邪気味だっので、あまり気にしてなかったが、ザイテングラートを降りきった頃、頭痛がひどくなり、ふらつきと吐き気で殆ど歩けなくなってしまった。
こんばんは~
すっばらしい写真たちですね!
感動しました!
天気も恐ろしいまでにいいですね~
三重の汚点さん
油断していたら日焼けで顔がボロボロになりました。
いつもの静かな山旅とは違いますが、アルプスならではの大きな景観は、やはり素晴らしいですね。
機会があれば、また訪れたいです。
奥様と一緒に穂高とは良いですね~
うちはカミさんがあまり山好きではないので最近はまったく山に付いて来ることはなくなりました。
十数年前にカミさんを連れて蝶ケ岳に登り、真正面の穂高連峰の壮大な眺めを楽しんだのが最後でした。
しかし好天に恵まれ素晴らしい山行だったようですね。
お写真懐かしい思いで拝見しました。
ヒロさん
蝶ヶ岳からの眺めも素晴らしいらしいですね。
常々、山は山頂からよりも対面から見るのが一番と考えているので、蝶ヶ岳も今回の候補地としてかなり悩みました。
嫁さんが山に行くようになったのは、ちょっとしたきっかけがあったのですが、子供が大きくなったのが一番の理由のように思います。
ヒロさんとこも、またご一緒に山に登られる日が来るといいですね。
はじめまして
先ずは「新年あけましておめでとうございます。」
貴殿の素晴らしい写真の数々、以前にも拝見させていただいたことがございますが、素晴らしいの一言に尽きます。
今回改めて拝見させていただきましたのは大杉谷単独行の記事が非常に気になったからです。
その勇気も本当に素晴らしいですね!
他にも色んな山行をされてて奇遇ですが、前年シルバーウイークのザイテングラード辺りできっとすれ違っているんじゃないかと、ついついコメントさせていただきました。
私達は9/20、6:00に上高地を出発し、13:30涸沢~(ザイテングラード)~17:30穂高岳山荘着なんでもしかしてお会いしているかも知れませんね!
私には重荷でデジカメが普及し出してからはコンデジしか持ち歩けなく、貴殿のように苦にせず機材を担ぎ上げられる気力も凄いと思います。
お粗末ですが、同日の記事です。
↓
http://blogs.yahoo.co.jp/accesskazu2002/55647089.html
またお邪魔させて下さいね!
すぎちゃんさん
はじめまして、あけましておめでとうございます。
すぎちゃんさんのブログも拝見させてもらってます。
おそらく大杉谷の情報を探していたときにたどり着いたかと・・・
シルバーウィークは、本当に良い天気でしたね。
私達は、穂高山荘でお昼をいただいてから降ったので、途中ですれ違っているのは間違いないと思います。この時、はじめて高山病になってしまい、かなりヘロヘロで歩いていました。
私も滝がターゲット以外の山行ではコンデジのみです。すぎちゃんさんと奥様は、岳沢へ降るコースで、穂穂高山荘まで荷物を担いで一気に登ってられますね。このプランも検討しましたが、私達にはとても無理そうなのであきらめました。
それでは、今後ともよろしくお願いします。