2010年3月13-14日
八ヶ岳


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遠くの山と近くの山・・・

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天気の不安定な週末、どこも土曜日は悪そう。紀伊山地では、雨の夜になるかもしれない。湖北方面も今一、そんな中で八ヶ岳周辺は、少しましそう。八ヶ岳なら赤岳ということになるのかもしれないが、物事順番だろうと今回は天狗岳を目指した。


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今日は黒百合平までなので、11時に渋ノ湯からスタート。


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湿った雪の降る中、穏やかなルートを登って行く。


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寒い景観だが、歩いているとめちゃめちゃ暑い。


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ガスの先に何かあるのか、全く見えない。


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黒百合ヒュッテのある黒百合平に到着。


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意外に狭くてテントを張るのに良さそうな場所がない。
風もかなり強く吹いている。


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そんな訳で、少し離れた空いたところにテントを張った。


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Black Diamondのテントは、入り口が大きく開き開放的。中も広くてゆったり。


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カフェオレを入れてソーセージを焼いておやつタイム。
前室の無いシングルウォールのテントでは、冬場の食事は基本的にテント内。
上部を少し明けておけば、風通しがよく換気も十分。


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腹も落ち着いたので、雪を溶かして水作り。


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次にご飯を炊く。
隙間から湯気が噴き出していい匂い。


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チタン鍋の「極」は、かき混ぜたり飯炊きもテクニックがいったが、アルミ鍋の「焚」は、ほっとくだけで簡単に飯が炊ける。


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鍋を食って、


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残り汁に飯をぶち込んでフィニッシュ。
ストーブは、snow peak ギガパワーLIストーブメタルクラブ。この冬、大活躍してくれた。
ガス缶をひっくり返して使う液だしストーブで、気化熱による冷えがなく最後まで安定して燃焼する。(ガソリンストーブの燃焼に近い)あまり話題にならないが、スノーピークのストーブは、調整ノブの回転角が大きく、とろ火がしやすいのも特徴だと思う。山屋ではなくキャンプ屋たる所以か。


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3時には目が覚めてしまった。
嫁さんは、Adrenalineに埋もれて爆睡中。息のかかる部分が少し凍りついている。
ちなみにシュラフカバーは使わない。
思ったよりも寒く、テント内温度マイナス9度、時計を外に出すと弥山の時のようにマイナス10度で止まっていた。


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よい天気になった。
飯を食って、天狗岳へ出発。


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中山峠に出ると東側に雲が湧いていた。


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そして、これから登る東西の天狗が姿を現す。


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風が強いので、嫁さんは早くも完全防備。


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雲の向こうにまるで蜃気楼のように浮遊する北アルプス。ん〜、素晴らしい。


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太陽がどんどん高くなり、色が変わってくる。


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稜線は、下から見るよりも太く問題のないルート。


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風に負けないように登っていく。


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高度が上がって、さらに風が強い。嫁さんはこの風が苦手らしく、テンション下がり気味。


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ロープで繋いだガイド登山らしきパーティもたくさん登っている。


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天狗ノ鼻への急斜面


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アイゼンをきかして登る。
強風で飛んでくる氷の粒が顔に当たって痛い。コンタクトレンズも飛びそうになってきた。
私もさすがに観念し、この上でプロテクトグラスを装着。(眺める色が変わるのは許せないのでクリアータイプ)


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素晴らしい天気、素晴らしい眺め。


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東天狗山頂へ。


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風が強く狭い山頂、相変わらず遠くに浮遊する北アの稜線が素晴らしい。


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左のピークが阿弥陀岳かな?


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吊り尾根を降って西天狗へ。


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西天狗は穏やかな山容、急斜面だが広い。


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空に向かって飛び出していく。


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西天狗の山頂は、広くて快適。こっちの方が標高が高いのに何故か風が弱い。
時間がたって風も治まってきたかも。


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西天狗からの降りも良い眺め。


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下山は、コースを変えて天狗ノ奥庭方面へ。


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凍りついた擂鉢池、その上を歩くのはなんとも微妙な感覚。


初めての八ヶ岳、素晴らしい山行だったのは間違いない。ただ、嫁さんはちょっと不満そうで、私も同じ思いを持った。

季節的なこともあると思うが、白に包まれる感じに乏しく、独立した山の森林限界から上は、広がる大きな展望とは裏腹に殺伐とした生命感のなさを感じてしまう。やはり森が好きなのかもしれない。そして、開発された山は、日常からの隔離感にも欠ける。


贅沢な悩みだと思うが、あの近くても深い大峰の山たちは、ある意味ずっと厳しく素敵だった。そんなことを想いながら帰路についた。でも、まだまだ知らない八ヶ岳、何かを見つけにまた訪れてしまうだろう。




撮影機材

Panasonic Lumix DMC-GF1
Panasonic G VARIO 14-45mm/F3.5-5.6 ASPH./MEGA O.I.S.


8 コメント

  1. たかっさん

    良い天気に雄大な北アの素晴らしい稜線を眺められるなんて羨ましい限りです。
    テントの中でマイナス9℃ですか?ハンパなく寒いんでしょうね!

  2. ayaG

    ayaGです。

    天候が良く遠望が効いて良かったですね。

    ブラックダイヤモンドの横開き?テントは、使い易いようですね。
    出入りし易いし、換気も天頂部を空けても、ひさしが付いているから
    上からの侵入は防げますものね。
    私は、よく検討もしないで縦開き?を買ってしまったので、
    気温が高い時期は快適とは言えません。

    ストーブ台は自作ですか?
    コンパクトで良いですね。

    強い紫外線は水晶体の損傷を進めて白内障を呼び寄せる、
    とか聞いています。
    山では晴天時以外でもクリアに近い薄い灰色の紫外線除けを
    使っています。
    眼内レンズを入れる手術が恐ろしいのです。(^_^);

    岩崎元郎氏も言っていましたね、外国の標高の高い山々は
    モノクロの世界、日本の山はいろんな色があって登るのが楽しい。
    って、いう意味のことをー。

    次の山行記録を楽しみに待っております。

  3. パンダ

    たかっさんさん

    寒いんですけど寒くないというか、まあ大丈夫という感じです。
    マットを二重にしてごつい寝袋に入っていると、いつも爆睡で夏場よりもよく眠れます。スリーシーズン用の寝袋にいっぱい着込んで寝ていたときは、けっこう寝にくかったのですが、薄着で冬用の寝袋だとかなり快適です。

  4. パンダ

    ayaGさん

    ストーブの台は、コルクの薄い板を切って足を置くところに滑り止め(同じコルク板を小さく切って接着)を付けただけのシンプルなものです。

    ブラックダイヤモンドのライトハウス、その解放感は気に入っています。インナーポールによる高いテンションと、ひさしを作るための横渡しの1本のポールが、内壁の傾斜をゆるめ頭上にもゆとりのある空間を作っています。それと、おっしゃるように換気性もよいですね。短辺側に出入り口のあるテントは、狭い場所でも張りやすく、複数人で使う場合は出入りの時に人をまたがなくてもよいので、長辺側が開くのがよいとも言えないと思います。

    床面積だけみると、あまり変わらない各種テントですが、中で座ったり寝る時も快適性にはかなり差があります。冬場は使いにくいのですが、そういった意味でMSR Hubbaシリーズは、本当にすぐれたデザインで、わが家ではキングオブテント等と呼んでいます。こういったテントは、山屋さんはあまり相手にしませんが、もっと注目されてもよいように思います。

  5. スロートレック

    >あの近くても深い大峰の山たちは、ある意味ずっと厳しく素敵だった

    同じコトを語る私は、ヤマ仲間から大峰ジャンキーと呼ばれたりします。なんと言うか、オープン過ぎるんですよね、なので私は黒部源流の周囲の山と森に(囲まれた感)が好きなのかもしれませんが、確かに贅沢な想いかも・・・1ヶ月前に同じように雲に浮く北アを眺めて感動してたのに(笑
    雲海最高にキレイです、ゴハンの炊き方も素晴らしい!

  6. パンダ

    スロートレックさん

    はい、スロトレさんがいつも言ってはりましたね。
    もちろん、どこに行っても良さがあって感動してしまうのですが、大峰には何かふるさとのような身近なものを感じてしまいます。

    黒部源流は、すごく行きたいところで、いつも頭の中で妄想はしているのですが、簡単には実現できそうにありません。水フェチなので裏剱や赤木沢にも強い想いがあり、スロトレさんがうらやましいかぎりです。

  7. “すぎちゃん”

    森林限界から上は火山である為の殺伐感でしょうか?
    でも中腹の広大なシラビソの原生林は最高です。
    訪れる人の多さから開発も進むのでしょうね。

    近畿最高峰でありながら時には人と出会うことすらない大峰は私達の宝ですよね!

    大切にしましょうよ(^_-)-☆

  8. パンダ

    すぎちゃんさん

    やはり人が多く、それにともなう開発がいつもと違う違和感を感じる理由かもしれません。でも、広大な景観は素晴らしいですし、開発のおかげでそこに行けるわけですから、その点には感謝するばかりです。

    おっしゃるように、静かな大峰の自然は皆の宝であり、大切に守っていくべきところですね。

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