2010年10月8-9日
北アルプス




剱の裏へ行きたい・・・

PHOTO GALLERY

裏剱、それは、「岩と雪の殿堂」という言葉が最も相応しく、ネイチャー写真を志した者なら一度は憧れたことがあるだろう場所。ピークは踏まずとも、そこには、素晴らしい山岳風景が待っている。

今回は、そんな絶景と紅葉を求めての山旅を計画した。一日目に室堂から剱沢のテン場。剱を見ながらゆっくりとテント泊を楽しむ。二日目は、剱沢を降って池ノ平まで。仙人新道から見えるだろう三の窓雪渓と八ツ峰の大絶景に期待がふくらむ。三日目は、仙人池に映る裏剱を見て、雲切新道を降る。最終日に欅平に抜けるか黒部ダムへ行くかは、その時しだいということにした。

8日の夜、雲ノ平の時と同じ
「寝台急行きたぐに」乗って富山へ。富山から電鉄富山、立山ケーブルカー、高原バスと乗り継いでようやく室堂に到着。



明日から天気が悪くなるかもしれないが、室堂は素晴らしい青空。ただ、枯れたチングルマが目立ち、紅葉にはちょっと遅かったか。みくりが池から地獄谷コースへ、嫁さんは自分の影を写して喜んでる。



雷鳥沢も遠目では冴えないように見えたが、近付いてみるとびっくり。素晴らしい眺めが目の前に展開していた。





雷鳥沢の紅葉を楽しんだ後、別山乗越へと登っていく。登り出しても素晴らしい景観が続き、下から見てよし、上から見てよし。秋の饗宴をたっぷりと楽しんだ。















剱御前小舎に着くと剱御前が見えるが、向こうは雲がかかりちょっと冴えない。



剱沢のテン場まで降るとますます雲が厚くなってくる。一瞬だけ剱が見えたが直ぐに雲に覆われてしまった。ここで幕営するつもりだったが、時間が早いし行けるとこまで行こうとそのまま前進。



剱沢に入ると、そこには見たこともないようにさえ思える驚きの空間が広がっていた。荒々しい岩稜をバックに剱沢を染めゆく眺めは、筆舌につくしがたく、それは、大自然の作り出す夢のような別世界。



















そして大雪渓が近付き、ルートは雪渓上へ。まだまだ紅葉が続く素晴らしい景観を見ながら慎重に降りていく。


平蔵谷








長次郎谷



雪渓の下から流れ出す水が見え始めると真砂沢出合まで後少し。ふり返って剱沢を見上げて今日の日に感謝。





そして、インゼルハオス「真砂沢ロッジ」に到着。



ご主人が迎えてくれて、あたたかいお茶を入れてくれる。明日の天気を確認してくれたり、雨が降るからテントは少し高いところに張ったほうがよいとか親切なアドバイスが嬉しい。小屋前は、降ってきた剱沢が見える素晴らしいテン場。なんと貸し切り状態。



カフェオレを飲んでめしを食っていると、山ガールの二人組、そしてクライマーらしき二人組がテントを張って、結局三張りで夜を迎えた。



雨が降ってきて、明日以降はもうダメかもしれない。でも、今日一日でもう大満足。深い山の懐に抱かれるといった感じで、心地よい眠りに落ちた。

朝になっても雨は降り続き、今日の行動がなかなか決められない。小屋の主人が、「明日も天気は回復しない。こんな時に無理をしてもしかたがないよ。」とアドバイスをくれる。それを聞いてハシゴ谷乗越を越え黒部ダムへ撤退することに決定。

ここのご主人は、佐伯成司さん。知らなかったが、帰って調べると凄い方でびっくり。そして、登山者の安全を願う本当によい方だ。また絶対に来たいインゼルハオスを後に剱沢をさらに降っていく。



剱沢を渡り黒部ダムへと方向転換。



待っているのは、樹林帯の急登。



高度が上がると濡れてしっとりとした紅葉が美しく、雨に打たれた心を癒してくれる。



その名のごとくハシゴが続く急登を登り乗越へ。



するとガスが流れて大きな山塊が見えてきた。後ろにかろうじて見えるのが剱だろうか。



乗越を過ぎても美しい紅葉が続き、下にはなにやら平坦で美しいところが見える。内蔵助平だ。









内蔵助平からも見上げるカールの紅葉が美しい。少し遠くてうまく写らなかったが、肉眼では本当に美しい色々が散りばめられていた。





ここからは、黒部川まで最後の降り。ハシゴやロープが出てきて、まったりとはいかない。









そして、黒部川へ。天気がよければ、阿曽原から辿っていたかもしれない最後の道をトボトボとダムまで歩いて行く。





初めて見る黒部ダムは、観光放水中。対岸へ木の橋を渡りターミナルまで登って終了。





「天気よ、なんとか保ってくれ」と願い突撃したが、今回も撃沈。それでも剱沢を彩る紅葉は、ありえないような素晴らしさで、目的をかなえてくれたように思う。

剱の裏は、もう終わってしまうだろうが、下ノ廊下は、これから盛りを迎える。もう一度来ようとリベンジを誓い帰路についた。

しかし、しかし、これを書いてる今日がそのリベンジの日。台風でまた来年以降になってしまった。



撮影機材


Panasonic Lumix DMC-LX3
Panasonic Lumix DMC-FT1


12 コメント

  1. 臆崖道

    もし2日目(つまり中日)が晴れる予報だったら、1日目に池ノ平を再訪する予定でした。ちなみにいくら脚の早いパンダさんだからって、3日目の行程(欅でもダムでも)は無理っぽいような気がします。
    内蔵助平を経由するルートはまだ未踏ですが、この絵を見せられたら行く気がムンムンになってしまいました。でも確か3年前の同時期に、増水した沢に流されて死亡事故が起こっています。そういう意味でも佐伯成司さんのアドバイスは的確だったと思います。
    ちなみに最近やたらと黒部づいているような気が・・・

  2. スロートレック

    いや、パンダさん
    剱沢の紅葉、これは何でしょうか?
    キャーッなんて声出しそうでしたよ、これこそ
    別世界、非日常、山ヤとして最上の悦楽・・・
    ため息しか出ません。池ノ平は残念でしたが
    佐伯さんの言うとおりでしょうね、ハシゴ乗越の
    登りでも雨の中だとキツかったと思われます。
    それに内蔵助平の紅葉も見れて、この撤退は
    OKでしょう、ってか私が内蔵助平の紅葉見たかった
    ってのもあるのですがw( ̄ー ̄)
    下ノ廊下の画像は来シーズン楽しみにしてます♪

  3. パンダ

    臆崖道さん

    無理です。無理です。三日目もどこかで泊する予定でした。
    阿曽原ではなく、黒部ダムに近い仙人ダムか十字峡でなんとかならんかなんて考えていたので、ちょっとぼかした書き方になってしまいました。
    それからアップした時、山行日を間違えていました。(修正しました。)

    増水も恐いですね。その時は失礼ながら佐伯さんのことは知りませんでしたが、話していると「無事に帰ってほしい」という想いが伝わってきて、それしかないという感じでした。

    黒部づいているとうより裏剱はやっぱり行ってみたいので・・・

  4. パンダ

    スロートレックさん

    金曜日休んだおかげで、雨に降られずに剱沢の紅葉を満喫することができました。
    また、佐伯さんのアドバイスを聞いてのエスケープでしたが、なんか正解でよかったです。ハシゴ谷乗越から内蔵助平も見事で、樹林帯が雨を弱めてくれたのも助かりました。

    限られた休日と限られた紅葉の時期、そして天候をドンピシャリとさせるのは難しいですが、ある意味それを楽しんでいるのかもしれませんね。

  5. 関東の渡辺

    紅葉が綺麗ですね。
    どの写真も素晴らしいです。

  6. たかっさん

    もう何て言ったらいいのか、とにかく凄い綺麗で感動もんですね!
    紅葉の剱沢へ行ってこの目で見たいです。

  7. ayaG

    ayaGです。
    ここに昭文社の「山と高原地図36剱・立山」があります。
    距離数の記載はありませんが、標準所要時間が書かれています。
    室堂から真砂沢ロッジまで、休憩時間を含めずにおよそ6時間。
    距離は縮尺からおおよそで12km。
    テント泊装備で、途中休憩や写真を撮りながらとはいえ8時間ちかくも歩いたのではないでしょうか。
    すごいことです。しかも要所要所の撮影が見事に山容を捕らえており、じつに臨場感にあふれていて、私がその場にいれば感激で足が地に着かないほど高揚したのではないかと想像してしまいます。

    真砂沢ロッジから黒部ダムまでもおなじく6時間ほどのようです。
    2日間にわたり十分に秋を堪能したのではないかと、羨ましく思っています。

    それにしても写真が素晴らしいです。

    前出の「山と高原地図36剱・立山」の調査執筆は佐伯成司さんでした。

  8. パンダ

    関東の渡辺さん

    弾丸滝巡りお疲れさまでした。
    紅葉と滝が素晴らしかったですね。
    剱沢もちょうど紅葉のピークに行くことができよかったです。

  9. パンダ

    たかっさんさん

    剱沢を彩る紅葉は、ほんとうに見事でした。
    機会があれば、ぜひぜひ訪れてみてください。

  10. パンダ

    ayaGさん

    タイミングがよかったのか、素晴らしい秋の景観が続いていて、口あんぐりの状態が続きました。
    撮影枚数も自然に増えてなかなか前に進みませんが、そういう形でゆっくりと山を楽しめればと思っています。

    写真は、ノイズ感やなめらかさを犠牲にしても立体感、臨場感がでればと思っています。ご評価いただき、非常に嬉しいです。

  11. 目目連

    素晴らしい写真と紀行文ありがとうございます。
    濡れた紅葉の写真の美しさを再確認しました。

    もう少し早くこのページを見ていたら、迷いなく剣に行ったと思います。
    来年の楽しみに取っておきます。

  12. パンダ

    目目連さん

    ありがとうございます。
    今から思い出しても、この時の剱沢は見事でした。
    涸沢などにも決して負けない素晴らしいところだと思います。
    ぜひ訪れてみてください。

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