2011年2月16日
奈良県 川上村 伯母谷 山葵谷 地獄谷

大普賢の懐へ・・・
二日前に降った雪のためか、大台ヶ原ドライブウェイの入り口から見えるのは、トレースのない真っ白い雪面。雪をかき分けて山葵谷へと進んで行くと、やがて前方に大普賢の雄姿が見えてきて、その絶壁には大きな氷柱がかかっている。
中央あたりの氷柱が見えるだろうか。
北に目を移しても急峻な地形と稜線近くに巨大な氷柱が見える。天候は、予想通り穏やかで、後ろは雲一つない青空。
そんな見えている氷柱に近付きたいが、それはとても容易ではない。今日は、今年このあたりによく入られているふぇるめーるさんともう少し下流にあるシェイクスピア氷瀑群を目指す。誰が名付けたのかハムレット、リア王、マクベスとも呼ばれている。
今シーズンの雪の多さは、ここも例外ではなく、深い雪に前進を阻まれるが、四足を駆使して谷を遡っていく。
そして、途中にある氷柱に到着、上部の大氷柱もその遙か上に見えている。
ちょっと近づけません。
この滝の高巻きからシェイクスピアまでは、傾斜が増した危ういルート。あちこちで小さな雪崩れが発生しているし、気温が上がって緩んだ雪面のトラバースに気の抜けない状態の連続。突き刺すピッケルに力を込め、何度も足を蹴り込んでステップを作り、じりじりとカニ歩きで進んで行く。
そして、碧く輝く氷の塊とご対面。見えてからが遠く、ラッセルとキックステップに本当に疲れてしまった。
苦労して到達したそこには、見事な見事な造形が広がっていた。高さはもちろん、三つの氷瀑が作るワイドな景観と冷たさに包まれる感じがなんとも心地よい。さらに左にも氷柱がかかっている。
最後に裏にまわると、その碧が透過光により透明感を増して輝き、二人の驚きの歓声が静かな谷にこだました。
マクベスの上部は水が流れ、他の氷柱の表面も一度溶けて再氷結したようになっていた。状態は、ベストではなかったかもしれない。それでも毎冬のように繰り返されるであろう大自然の営みを前に、ただただ驚嘆するしかなかった。
大普賢東壁から伯母谷覗にかけての絶壁には、多くの氷柱が形成される。いつの日かその氷瀑達にも会いに行きたい。
ふるめーるさん、どうもありがとうございました。
撮影機材
Panasonic Lumix DMC-GH1
LUMIX G VARIO HD 14-140mm/F4.0-5.8 ASPH./MEGA O.I.S.
OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4.0-5.6
Canon PowerShot G12
パンダさん
その節は大変ありがとうございました。
キックステップではご苦労をおかけ致しました。
また冬アイテムのご指南、ありがとうございます。
お写真を拝見いたしますと、氷柱の素晴らしさ大自然の持つ厳しさ大きさに今さらながら驚きます。
下から二枚目も、石筍のような氷が凍結の不思議を物語るかのようです。
お陰様で今年のシーズンは大変有意義で楽しかったです。
氷のあの青の色を、遠望から見るとやはり冬はサイコーと思ってそこまでのアプローチも報われます。
小生もU2000低山での冬山を続ける決心がようやくつきました。
で、登らなかったのですか?
(私は10mで断念しました)
ここはかつては毎年凍っていたらしいですが、暖冬続きの近年は完全凍結しない年もあったらしいです。
私は下から5枚目がお気に入りです。
ふぇるめーるさん
こちらこそお世話になりました。
この冬最後のチャンスだったかもですが、行くことができてよかったです。
深い雪と青い氷が見事でしたね。
来シーズンは、奥の氷瀑にも挑戦したいですね。
どうもありがとうございました。
臆崖道さん
まさかまさか登りませんよ。といいますか、登れないですね。もし登れても上部へ抜ける目的なしに登るようなことはないですね。
臆崖道さんが行かれてたのは、左俣だったように記憶してますが、そっちにも行ってみたいです。
冬の自然の造形、素晴らしいですね!
そしてこの温暖な紀伊半島においてこれほど大きな氷瀑が出来るというのも凄いって思います。
なんといっても一番凄いのは、どんなとこでも重い機材を担いで挑まれるパンダさんの熱意じゃないでしょうか。
すぎちゃんさん
機材の重さは、たいしたことないんですけどね。雪の多さとその雪の緩みのため思ったより大変でした。
前から行きたかったところですが、その大きな氷瀑も予想以上でしたし、他にもたくさんあるみたいなので、また訪ねてみたいです。